内容説明
名探偵ホームズと宿敵モリアーティ教授との死闘を描いた問題作「最後の事件」を含む第2短編集。ホームズの若き日の最初の事件「グロリア・スコット号」や、兄マイクロフトが初めて登場する「ギリシャ語通訳」など人気の高い作品をはじめ、前巻を超える衝撃作が目白押し。発表当時物議を醸し、本から削除された「ボール箱」も収録。クールでニヒルな名探偵の魅力を最大限に引き出す、読みやすく瑞々しい新訳でおくる決定版。
著者等紹介
ドイル,アーサー・コナン[ドイル,アーサーコナン][Doyle,Arthur Conan]
1859‐1930。イギリス・スコットランドのエディンバラ生まれ。小説家。推理小説、歴史小説、SFなど、多岐にわたる作品を残す
駒月雅子[コマツキマサコ]
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tonnura007
42
ホームズ短編集第2弾。競走馬を中心に話を展開するシルヴァーブレイズやホラーテイストな黄色い顔など、冒険とはカラーの違う作品が多いよう思う。シャーロックホームズ全体の話で言うと、マイクロフトやモリアーティの登場という点からもシャーロキアンにはたまらない小説である。 「探偵として思い残すことはひとつもない」「命が燃え尽きる運命だとしても、それを甘んじて受け入れることができるよ」「おのれの知恵を悪事に利用したことは一度もない」 ホームズがモリアーティとの勝負に臨み、覚悟の言葉を述べるシーンは特に印象的であった。2024/09/22
タツ フカガワ
42
12の短編を所収。が、半分ほど読み進んだころ、あっと思って新潮文庫『シャーロック・ホームズの思い出』を取り出してみると、10編が重なっていた。“回想”も“思い出”もほとんど同じということか。それでも新潮文庫に未収録の2編、50歳の独身女性に突然届いた切り取られた耳の入った「ボール箱」、大地主の邸宅で起きた殺人事件「ライゲイトの大地主」は、時代背景は古いものの今も色褪せない面白さでした。2021/08/16
智湖
35
名探偵ホームズと宿敵モリアーティ教授との死闘を描いた「最後の事件」を含む第二短編集。ー本当なら、ここでホームズが命を落として終わるのですが、その昔、もうホームズを書きたくなり、彼を殺した作者に働きかけ、ホームズを蘇らせるのに成功したシャーロキアンに感謝。続編「シャーロック・ホームズの帰還」を読みます♪2018/05/13
佳乃
31
まだ2冊しか読んでいないのに、ホームズが愛おしい存在になってしまった。本当にもっと早く読んでいればよかったな。そして、本当にあそこでホームズはモリアーティ教授との最後の決戦で共に落ちたのだろうか・・・?ワトソンの心情がやるせなさでいっぱいのように感じる。2017/07/07
こばまり
30
(2014.5.18 誤字を改めました・汗)【シャーロック・ホームズ祭り】に参加して読みました。活字のホームズは久しぶりです。知っているお話なのにいつでもワクワクできるのは相変わらず。加えて訳者のお力か、ホームズもワトスンも一層生き生きと感じられました。それゆえに「最後の事件」が沈痛で。えすとえむさんによる表紙イラストも素敵です。2014/05/17