出版社内容情報
連続殺人ではないかというテンペの示唆に刑事たちは一向に耳を貸さない。業を煮やしたテンペは自分で事件の調査を始めた。が、それが悪夢の幕開けだった――彼女に落ちる恐怖の長い影……。
内容説明
被害者はみな女性。体を裂かれ、手首が切り落とされている。だが、私の指摘に刑事たちは一向に耳を貸さない。自分の仕事だけをしろという。埒があかない。結局自分で調べることにした。けれどそれが、悪夢の幕開けだった。娼婦の調査をしている親友、ギャビーを付け回す奇妙な男の影。そして私自身にも恐怖が暗く長い影を落とし始める。悩み、傷つき、恐怖に狂いそうになっても、私は自分の仕事をし続けなければならない―犯人を捕まえるために。変態野郎をこれ以上のさばらせるわけにはいかないのだ。タフでナイーブな女性の孤独と格闘を描く、迫真サスペンス。カナダ推理作家協会最優秀処女長編賞受賞。
著者等紹介
レイクス,キャスリーン[Reichs,Kathleen]
シカゴ生まれ。ノース・カロライナ大学教授。アメリカ法医学協会から正式に認定を受けた法人類学者。またノース・カロライナ州とカナダのケベックで骨鑑定の専門家として活躍している。『既死感(D´EJ`A DEAD)』はデビュー作であるが、自らの専門を存分に活かして描かれ、法医学のリアルな描写が大絶賛を受けた。カナダ推理作家協会最優秀処女長編賞受賞。2作目は『死の序列』(角川書店)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
円盤人
8
正直いって上巻は低調だったが、やはり全編読み通さないとわからないものだ。主人公が独自に捜査を始め、当局を動かしてから話は俄然おもしろくなる。肝心の法人類学がさほど解決に寄与していない点は気になるが、盟友J.Sの講義には引き込まれるし、お約束通りの展開でも読ませる筆力はさすがだ(テンプレ・ブレナンなんちゃって)。ドラマほど設定や展開にケレン味がないため、どうしても地味に見えてしまうものの、年頃の娘を抱えたままカナダの男社会で奮闘する彼女を見ていると、「こっちのBONESもそう悪くないかも」などと思えてくる。2023/06/02
siva
8
法人類学者のテンペ・ブレナンが主人公。聞いた事ある名前だなと思っていたら、ドラマBONESの原作だった。チラ見して終わったからな。カナダが舞台ですが、こちらもやはり女性蔑視はあるようで。作者本人が法人類学者ということで、臨場感があります。翻訳が少ないのが残念。刑事がみんなおしゃれでGQに出てくるような隙のないファッションをしているという表記がちょこちょこ出てくるんだけど、そこがすごく気になる!2014/07/31
cozicozy
6
下巻、一気読みです。ハラハラ、ドキドキしながら、読み耽りました。テンペランスが、糸を紡ぐように、パズルを1ピース、1ピース合わせるように...真実に近づいて行きます。TVシリーズのテンペランスより、熱い気持ちが強いテンペランスでした。面白く読みました。2011/09/23
おひるねくじら
3
上巻を読んだら、続けてすぐに下巻も読み終えてしまった。「検査屍官」にダブるような気もしたけれど、スリリングでドンドン読めた。2013/09/03
ocean
2
骨鑑定を専門とする女性人類学者テンペを主人公とするミステリーシリーズの一作目。二作目を最近読んで面白かったのでこちらも読んでみました。二作目も少々冗長な感はあったけれど、一作目はもっと冗長。グロテスク度も二作目より遥かに強く、また主人公テンペもよりエキセントリック、ちょっとがっかりします。女性人類学者が一人きりで猪突猛進に警察まがいの捜査を行い、事件を解決に導くという、何だかリアリティに欠ける物語。二作目の方がずいぶんと進歩していて出来が良いです。まあこちらも面白いことは面白いのですが。2014/10/31