内容説明
末期ガンで死の床にいる大物テレビ・プロデューサーのアール、彼に捨てられ今はモテない男たちにSEX術を伝授する教祖となった息子のフランク、アールの若い妻リンダ、アールの献身的な看護人フィル、アールが手掛けた人気クイズ番組の司会者ジミー、彼を憎む娘のクローディア、彼女にひと目惚れする警官ジム、番組で勝ち続けている天才少年スタンリー、かつて同番組で天才少年と謳われた中年男ドニー…。一見何の繋がりもないように見える彼らは、ある不思議な現象に遭遇し、一つの物語へと結び付けられていく。怒濤のクライマックスへ向けて、現代人が抱える様々なドラマを鮮烈に綴った今世紀最後の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
47
この世には奇妙な偶然があったりする。ビルの屋上から投身自殺。脅かしのつもりで発砲してしまったショットガンの弾が落下中の自殺者に当たってしまい、地面衝突までに即死。死んでから地面に激突。死因は着弾。自殺は一転他殺となってしまう。アメリカで実際にあった世にも奇妙な偶然。奇妙な偶然は予期せぬ展開となる。この本、その偶然に翻弄された9人の物語。この9人実はどこかで繋がっている。①大物TVプロジューサーは末期癌で病死寸前。②財産目的で再婚したその妻は痛み止めの薬確保に奔走。③、①の息子はカリスマ軟派師。2021/11/08
ハルトライ
0
映画自体がものすごい好きなので、楽しく読めたが、小説としてはとてつもなく程度の低いものだと言わざるをえない。なによりも文章表現が、稚拙だ。映画自体にあるナレーションをそのまま書き出しているところはいい。が、この訳者が付け足したのであろう文章が、どれもこれもサムい。わざわざ分かりきっていることを、地の文で書く必要なんてまったくない。比喩も陳腐。「海の底のように沈黙するばかりだった」って、まるで高校生が書く比喩だと思う。2013/05/19