内容説明
人類初の“自ら成長する”人工知能の開発―それはオックスフォードの天才科学者テッサ・ランバートによって成し遂げられた。慎重を期し、極秘裏に新たな知性の成長を観察するテッサ。だが、今まさに、ハッカーが彼女のデータにアクセスしようとしていた。テッサは知る由もなかった。その人物がカリフォルニアを恐怖の底に突き落としている連続殺人犯であることも、彼女の“秘密の息子”をネット上に解き放ち、怒れる神に変貌させようとしていることも―。電脳空間を駆ける人工知能が人類を震撼させる戦慄のスリラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おぎにゃん
9
人工知能+サイコ…本作が本国で出版されてから20年経つが、古さは感じない。むしろ、今現在の社会の方が、本作品の恐怖を身近に感じることができるだろう…情報漏洩、情報操作の先に存在するモノが本作品のような人類以外の知的生命体?であったならば、今の我々には為すすべもない…人類が持つ「地球の支配者」たる優位性を突き崩し、情け容赦なく人間のアイデンティティをぶち壊す。さらに、終盤明かされる真相の一つの、なんと残酷なことか…まさしくホラーである…怖いよ〜(>_<。)2014/06/15
青ポス
0
前半は長いなあと思いながら読んでいたが、後半になるにつれて緊迫感が出てきておもしろかった。状況は違うが、現在もPCの遠隔操作、(ネタバレになるので書けないワード)が問題になっており、それが緊迫感の要因になったんだと思う。ただ、最後が釈然としないのが残念だった。2012/10/24
lorca
0
あっと思うが少々消化不良気味の展開。よって★2つ。 気にかかった言葉:「わたしたちが、自分のやりたいことをする時間を作らないのは本当にばかげていますよね。やらなければならないことばかりしているだけで。」「そのふたつにちがいがなければさいわいですね。つまり、やりたいことと、やらなければならないことに。」2011/07/19
lorca
0
(図書館) イギリス・オックスフォードのケンダル研究所に所属する天才科学者テッサ・ランバートが人工知能を開発しひそかにその人工知能の成長を見守っていた。一方L.A.ではシリアルキラーがそのコンピュータに進入しその人工知能の指示を仰ぐべくテッサに迫る、、、というSF+サイコ・スリラーもの。オックスフォードの馴染みのストリートがでてくると思わず脳裏にその近辺の様子が浮かびその点は楽しかった。でも主人公のテッサは人間的に深みが感じられらない主人公像。後半「えっ!?」という軽いドンデン返し的要素がからんであっと
とりぞう
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iPad用に文庫を電子化して再読。以前読んだのは何年前だろう。まだ本書に記される「インターネット経由でパソコン通信」という言葉がリアルだった頃。思えばAIを幻想的に描けた最後の世代かな。と、いうか敵対的AIの話はほぼ出揃ってしまったのかもしれない。2010/07/13