内容説明
ストーンベリーの村、降りしきる雨、巨大な環状列石へ静かにいざなわれる少女の夢をわたしは見た…。十六歳の少女の死体が英国郊外の村ストーンベリーの環状列石の脇で見つかった。容疑者は車椅子の通俗小説家。だが、彼は少女愛好癖は認めたものの殺人を犯したという自白を撤回する。そして有力な証人が何故か証言を拒み、もう一人の証人が失踪。初めは容疑者を疑っていた担当弁護士は、夢に誘われるようにこの村を訪れ、ついに隠されていた衝撃的な真実を知る…。謎に包まれた小さな村を舞台に描く法廷心理スリラーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
円盤人
4
古典以外では珍しいイギリスの法廷もの。ただし出来は今ひとつ。環状列石で少女が惨殺される。容疑者は車椅子の通俗小説家。彼は小児性愛を認めるものの、殺人は否定するという……。これだけの強烈な設定を持ってきながら、被告側の弁護士である主人公は、真相への疑問を抱くことなく、法廷戦術をどうするかしか念頭にないので、事件や人に焦点が当たらない、というしまつ。さらに翻訳ものであること、馴染みのないイギリスの法制度という要素が乗り、非常にわかりにくい。後者に否があると言うのは酷だが、そのぶんおもしろさマイナスなのは事実。2023/06/19
Kitinotomodati
2
どこかで読んだような気がする。今まで読んだリーガルものに、中年の危機を迎えた弁護士なんか掃いて棄てるほどいる。特色はイギリス独特の裁判制度かな。訴追側と弁護側が法廷で並んで座っている。不思議な光景。2019/01/11