内容説明
2020年、細菌戦争と核戦争の結果、地球からほとんどの国が姿を消した。かつてヨーロッパだった土地に生き残ったわずか一握りの人々は、自分たちの未来を託して、1基の電子頭脳を作りあげた。絶対に間違いを起こすことなく人類を導いてくれるコンピューター、それは〈ユエ〉と名づけられた。そして何世代かが過ぎた―〈ユエ〉は完璧に機能していた。すべてがその管理下にあった。酸素の供給も、結婚も出産も…だが〈ユエ〉を見た者は1人もいない。〈ユエ〉はどこから、どのようにして人類を統御しているのか?隠されたその正体に迫ったとき人類が見るものは―?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
9
87年の300円の初版。あのカミュではなくウィリアムの方。巨人頭脳ハウザーは50年代後半、月面のポジトロン電子脳ネーサンですら60年代前半に書かれているのだが…本書は87年に書かれた巨大専制頭脳物としては突っ込み処満載で、その上やっつけな出来の収束ではちょっと…出版した角川の度胸は買うが、当時の角川のSF長編はノベライズが主で、この分野は全くの不得手だと再認識。細菌・核戦争の生存者は電子頭脳に自分たちの管理を丸投げする。ロジカルさだけで人を管理できないのはスポックが艦長に向いてないのと同じ。★★☆☆☆☆2019/07/16
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- 和書
- 烽燧 - 岩切雅人句集