出版社内容情報
21世紀の東京。情報空間と現実空間をシンクロさせる男、レイニー。ロックスター・レズのファン、チア。そしてレズが恋するホログラム「あいどる」投影麗。虚構と現実を交錯しながら進むサイバー・アヴァンポップ!
内容説明
世界的人気を誇るロックバンド、ロー/レズ。なんとメンバーのレズが、日本のホログラム・ソフトウェア「あいどる」と結婚するという噂が世界を駆け巡った。熱狂的なファンであるチアは、真偽を確かめるべく、東京へと飛ぶ。一方、情報の奥に結節点と呼ばれる特異点を見ることのできる男、レイニーは、レズと「あいどる」の関係を探り出すべく動き出した…。幻視者ギブスンによる21世紀東京の姿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スター
49
近未来の日本が舞台のSF作品。解説を読んで、前作「ヴァーチャル・ライト」と同じ世界観を元に書かれたと知ったがそちらは読んでない💦 個性的な小説なので、前作読んでても、全ては理解出来なかっただろう。 サウスカロライナ出身の著者から観た、日本に対するカルチャー・ショックも作品内に散見される。ギブスンの描く猥雑な雰囲気を許容できるかどうかで、小説の好みはわかれそう。2021/10/16
Small World
18
私にとって、ギブスンを読み始めることは、多少、心と体の調整を必要とすることです。w 起きる事件は小粒なんですけど、様々なガジェット、ヴァーチャル空間、そして何かの誕生に様々な人が立ち会う..みたいなモチーフにギブスンらしさを感じながら楽しみました。橋3部作は「フューチャー・マチック」が残っているのですが、また、ギブスンが無性に読みたくなったときに......2016/08/27
とも
10
人気バンドのヴォーカルがヴァーチャルあいどると結婚する、という噂が流れ…というお話し。 登場人物が芸能人と関係者とファンなので、好きな人は好きだろうなあ。 書かれたときは相当に未来だったのだが、一部時代が追いついてるとこもある。2024/08/06
CCC
6
日本とヴァーチャルアイドルと聞くと、どうしてもボカロを連想してしまいますが、個人的には近い分だけ、かえって違いが気になりました。麗投影と初音ミクの距離感が、そのまま西洋文化圏の人がイメージする日本と、現実の日本との違いなのかもしれません。2015/10/31
unknown
5
無理矢理要約すると「二次元アイドルと結婚して引退して電脳空間で暮らそうかなーと思ったらひと騒動起きたでござる」。「電脳空間の結節点が視える男」「九龍城モデルの仮想城砦都市」「ヴァーチャル・アイドル」これらの設定に反応するなら確実に楽しめるのではないかと。あとやっぱりジャンキーでドラッギーな場末の猥雑な諸々の描写がたまらんです。面白かった。2010/11/28