内容説明
1855年ロンドン。ときは産業革命。人々は蒸気映像を鑑賞し、蒸気コンピュータに管理されている。街は汚染された熱気に包まれ、道路は渋滞をきわめ、地下鉄はストライキで動かない。革命家の娘シビル・ジェラードは空を飛ぶ金属にうっとりする。そして20世紀末、意識をもちはじめた蒸気コンピュータが自らの記憶を語り始める…。サイバーパンクの教祖と煽動者が紡ぐ記念碑的傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルビレオ@海峡の街
6
あまりギブスンぽくないと思ったら、作品のアイディア自体はスターリングのモノだということ。納得して読み進めるも、いまいち波に乗れず(ストーリィが上手く掴めず)上巻の終盤を迎える。フレイザーが出てきた辺りからようやく面白くなり、楽しむことが出来た。オリファント邸に居た日本人5人は「長州ファイブ」を思い起こした。さあ下巻へ。2011/10/22
chocoうさぎ
1
スチーム・パンクなるものを読んでみようと思い手に取った。蒸気機関が異常に発達したヴィクトリア時代のロンドンが舞台。歴史改変SFというらしい。実在の登場人物や実際の出来事が散りばめられているのだが、イギリスやアメリカの歴史に詳しくないとあまり良く分からない。新しい機関の発達により実際の歴史より技術的には高度に発達しながら、生活習慣風俗などが発達していないのでとてもバランスが悪い世界観。このお話はいったいどこへ向かっているのか分からないまま上巻終了。蒸気の熱気とロンドンの悪臭をイメージするだけで辛い世界だ。2018/08/04
denz
1
下巻の「事典」を確認しながら、何とか流し読み。実在の人物については何とか分かるのだが、小説の人物などは素養がないため、キャラクターがつかめない。伊藤計劃の遺作は、こういう雰囲気を創り出したかったのかなぁ、と。後半に出てくる日本人は「ユキチ」と「コウアン」以外は、トマス・レイク・ハリスの帰依者たちを登場させている。2012/07/25
欣喜雀躍ちゃん
0
ガジェットに対する説明がほとんどなく、なんというか、ハイコンテクストだなあ、と2013/09/17
ざっくば
0
そうか、これはif小説なのか。英国史に暗く、下巻収録の事典の存在にも気付かず読んだため、面白いような、しかしどこに向かっているのやら…というぼんやりした気持ちで読んでしまった。 2013/05/30