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角川文庫
ソロモン王の絨毯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 457p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042541554
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ロンドンの地下鉄で圧死した双子の妹の復讐を企てる兄は地下鉄職員が住むアパートに住み移る……若い男女の感情のもつれを巧みに描いた、異色ミステリ。

内容説明

ロンドンの混んだ地下鉄で、一人の娘が圧死した。手に、ペルーの花嫁衣裳を握ったまま…。地下鉄マニアのジャーヴィスは祖父が残してくれた学校をアパートにしている家主。そこに集まってきたのは、出戻りの親戚で自由奔放なティナとその子供たち、地下鉄構内でフルートを吹くトム、夫と娘を捨てヴァイオリニストを目指すアリス。そして、謎めいた男アクセル…。愛憎入り乱れ、人生も目的も違う人々を乗せた“ソロモン王の絨毯”が行き着く先にある、驚くべき運命とは!?あなたは果して巧みに仕掛けられた謎に気づくことが出来るか?ゴールド・ダガー賞受賞作。

著者等紹介

ヴァイン,バーバラ[ヴァイン,バーバラ][Vine,Barbara]
英国女流ミステリーを代表する作家ルース・レンデルの別名義。1930年ロンドン生まれ。バーバラ・ヴァイン名で書かれた作品は、レンデル名義で書かれたものより文芸色の強い心理ドラマであることが多い。彼女の作品は、英国本土はもとより、米国、フランスでも多くの読者を持ち、世界15ヶ国語以上に翻訳されている。『ソロモンの絨毯』で1991年度CWA(英国推理作家協会)ゴールド・ダガー賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

363
地下鉄ミステリーということになるのだろうか。東京の地下鉄網もたいがいに複雑だが、ロンドンのそれもさすがに世界最古というだけあって、相当に錯綜しているし、全長距離も随分と長い。マニアックなヴァインとアリス、トム、そして謎を孕むアクセルと様々な人物が登場する、いわばそうした都市の混沌こそがこの作品のテーマの一端を担うのである。きわめて都市らしい構想の下に書かれたミステリーなのだろうが、私にはその構成の妙を楽しむには登場人物の誰にも感情移入しきれなかった。結末もまた肩透かしの感が残るなど残念な思いがする。2019/02/18

遥かなる想い

188
1991年ゴールドダガー賞 受賞。 ヴァインが仕掛ける ロンドンの地下鉄ミステリーだが…すっきりしない 終わり方だった。 読後感は正直、良くない。 地下鉄で圧死した娘と、 アパートに集まる人々の 人生がなかなかクロスしない上に、 謎の男アクセルの立ち位置が 突然で、取って付けた 様な印象が強いから なのだろうか。 アリスが謎の男アクセル に惹かれていく過程から、 最後に期待したのだが… 正直、裏切られた感が 強い。何が評価されたのか 理解できない、本だった。 2015/07/20

ケイ

130
登場人物がそれぞれ特徴的に色づけされてるから読みやすいし、各々に感情移入し易い。地下鉄沿線を見下ろす学校に住むという滅茶苦茶な考が妙におかしく、部屋の名前の「○年生」とか「○○室」を楽しみながら読んでいたのだけど…、だんだん冗談じゃなくなっていく。そうだ、これはミステリなんだと思い出す。モラルの足りないのも愛嬌みたいな人物が多い中で、アクセルだけは悪意がプンプンとする。そのあたりから、いろんな事が冗談じゃ済まなくなっていく。地下鉄ウンチクは息抜きになったし興味深かった。評判は高くないようだけど私は好き。2017/03/08

まふ

106
ルース・レンデルの別名によるミステリーで、ゴールド・ダガー賞受賞作。ロンドンの地下鉄路線がいろいろと説明され、登場人物はあちらこちらに移動するのは面白い。が、それがミステリーとしての物語の構造にうまくはまっていない気がする。同作家の他のG1000作品「運命の倒置法」「死との抱擁」も同様な「思い入れ」が充満した作品であったが、ミステリーとしてはピンと来なかった。<ルースレンデル>名の「ロウフィールド館の惨劇」「引き攣る肉」の方がはるかにメリハリが効いていたと思う。G484/1000。2024/04/12

NAO

74
ソロモン王の絨毯の話ではなく、ロンドンの地下鉄にまつわる物語。まさかこんなことになるとは、という驚きのラスト。最初に、初めて地下鉄に乗って圧死した女性のエピソードが挙げられているが、この一見物語とは何のつながりもないように思えた話が最後の最後になってとても重要な話だったのだということがわかる。それと同時に、この話は、あとに登場する者たちの運命を象徴していたのだとも知らされる。彼らの人生は地下鉄に絡め取られていたのだ、と。2021/01/05

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