内容説明
バンコク発ロンドン行き英国航空10便。バカンスを終えた家旅客らを乗せた機内で繰り広げられる麻薬組織とMI5の闘いを描く「囮たちの掟」、西部開拓時代を舞台に、ネイティヴ・アメリカンの娘と騎兵隊の男の一途な恋の逃避行を描く「時をこえる風」の二編を収録。キング・オブ・ストーリーテラーが放つ、物語の真髄を極めた至高の短編集。
著者等紹介
フォーサイス,フレデリック[フォーサイス,フレデリック][Forsyth,Frederick]
1938年、イギリスのケント州生まれ。空軍パイロットなどを経て、ロイター通信、BBC放送の記者を務めた後、作家に。71年ドゴール暗殺をテーマに描いた長編『ジャッカルの日』で小説家としてデビューして以来、綿密な取材力とストーリーテリングの天賦の才で世界を沸かせてきた。約30年あまり、スパイ小説の第一人者として活躍し、現在は、ジャンルを替えて執筆活動を展開。海外でも“マスター・ストーリーテラー”の称号は衰えることはない
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
27
表題作は、私の読解力のなさのせいなのだろうか、最後なんであっさり犯人が捕まってしまうのかよくわからなかった。 もう1作の、「時をこえる風」は実にすばらしい! ええっ、本当にフォーサイス?って思うほど、意外な展開と、幻想的でロマンあふれる作品。 西部開拓時代、虐殺されたカスター将軍の騎兵隊で唯一生き残った主人公と、「ささやく風」というインディアンの娘との恋物語だが、彼女と別れた主人公は一気に1970年代に時をこえ、「ささやく風」の子孫と出会う。 結末は素敵。 フォーサイスの才能に改めて拍手。 ★★★★2017/11/14
AICHAN
27
図書館本。フォーサイスはもうとっくに引退してると思ってたのだけど、試しに「フォーサイス」で検索したら見たことのないタイトルの本がずらずら出てきた。フォーサイスは作品を出すごとに「これで引退」って言うけどさっぱり引退しない。まあ嬉しいんだけどね。で、早速借りてきた。短編と中編の2本立てで、うち短編ははっきり言ってつまらなかった。中編はアメリカ先住民の娘と白人とのラブ・ストーリーというフォーサイスにしては珍しい作品。しかも西部劇。それも壮大な物語。大河でした。さすがストーリー・テラーだ。2016/06/12
Richard Thornburg
9
感想:★★★★★ 「囮たちの掟」と「時をこえる風」の2篇収録。 「囮たちの掟」はほんの短い短編ですが、意外なところに落ち着いたのがいい感じです。 「時をこえる風」はインディアンvs騎兵隊時代の話なんですが、途中で!?となって読み返してしまいました。 それほどまでに今までに読んだフォーサイス大先生の作品とは一線を画していて、それまでのストーリーの流れからはあまりに突飛な展開と意外性がとても印象的な作品でした。 個人的には「囮たちの掟」よりも「時をこえる風」のほうがインパクトも大きくて好みかな。2015/03/13
かんとり
6
短編2話収録。 タイトルの「囮たちの…」より、「時をこえる風」がいいな。 「囮たちの…」はヤクの運び屋の空港での駆引き、まああっさりしてるが面白い。 秀逸なのは「時をこえる風」。 アメリカ西部開拓時代?のインディアンと白人の戦いの中。 これがなかなか驚く展開に。 ファンタジーですなあ、フォーサイスもこんなのも書いていたのね。2019/01/04
tai65
4
星5つ 2019/09/18