内容説明
天才的犯罪プランナー、ドートマンダーも、近頃ではその仕事に少々嫌気がさしていた。ところがそこへ親友ケルプがでっかい話を持ち込んできた。銀行強盗だ。しかもただの銀行強盗ではない。その銀行はトレーラーを使って目下仮営業中。そこでそのトレーラー、すなわち銀行をそっくりそのまま盗もうというのだ。ドートマンダーのプロ根性がむらむらと頭をもたげるが…。タフでクールな泥棒ドートマンダー・シリーズの第二作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
73
久しぶりに未読のを見つけて買う。有名作家の別名義もの、犯罪コメディシリーズの一つ。建て替え中で移動家屋に仮営業中の銀行自体を奪おうと、天才犯罪プランナーの主人公が知恵を絞るが、凄腕だが間の抜けた仲間たちと大騒動。短めでコメディ映画のように軽く読めて楽しめる。定番のようなシチュエーションとタガの外れた人物たちの連鎖に安心し、こういうのだったと思い出す。1972年の作品で当時の風潮も描かれているがもうそんなに古い作品というのに驚く。良い暇つぶしに。2018/06/26
aquamarine
70
ドートマンダーシリーズ2作目。今回ケルプが持ってきたのは、トレーラーハウスで仮営業中の銀行を丸ごと盗むというもの。仲間を集め不可能を可能にして上手いこと盗んだものの、その後すんなりいくはずもなく…。キャラが生き生きと描かれとても読みやすいです。スラプスティックという言葉を途中で何度も思い出しながら一気に読み進めました。意外と一番笑ったのはコーヒーとデニッシュのシーンかも。トレーラーのラストシーンは面白いを通り越してなんだか感動してしまいました。そして…ああ、やっぱり!の予定調和に一安心。楽しみました。2017/07/06
ほりん
39
【ドナルト・E・ウエストレイク読書会】天才犯罪プランナー・ドートマンダーのシリーズ2作目。前回は,想定外のできごと続きでさんざん苦労したトートマンダー。相棒ケルプがまたまた奇妙な話を持ってきた。銀行を丸ごと盗む??奇想天外なことを可能にしてしまうトートマンダー一味は凄いのだけれど,やっぱりすんなりとは成功しない。最後の最後にかなり笑わせてもらった。トートマンダーの恋人メイとマーチのお母さんもいい味を出している。次にはどんな盗みを考え出すのか楽しみ。2015/07/15
あたびー
32
ドートマンダーもの二作目。今回はなんと、トレーラーで仮営業中の銀行をそっくり頂くという大胆な犯行。ネタを持ってきたケルプの変な甥ヴィクター、ドートマンダーの彼女メイ、金庫破りハーマン・Xが新たに参入。最初から最後までくすぐり満載だが、何と言ってもトレーラーを休業中の食堂に仕立てた所と、ラストでトレーラーを追っていく所が秀逸。すべての場面が可笑しくて最高。映画の出来が悪かったとしたら、そりゃ監督のせいだよ。2020/07/27
Panzer Leader
31
今回はドードマンダーが新たな仲間を加えて銀行ごと盗む事に。幾多の困難を乗り越えて見事に盗み出したまでは良かったが、そこで終わらないのが悲運な天才犯罪者たる所以。諦めてさっさと引き上げようとするのに仲間たちが次々と解決策を提案してきて逃れられなくなっていく様が可笑しい。ケルブの甥っ子で空想癖のある童顔の元FBI局員ビクター君がいい味をだしている。再登場の機会はあるのかな?この本が映画化の際にはジョージ・C・スコットが主演だったそう、んー彼はコメディ向きではないと思うけど見てみたい。2015/07/07