出版社内容情報
再発見された処女作をはじめ、母性、天体、ゴッホなどをめぐる、特異な思想家の未邦訳論考17篇。
内容説明
信仰時代の脱自体験から終わりなき異議申し立てへ―再発見された処分作をはじめ、母性、髪、天体をめぐり、ゴッホやマッソンを賛える、未邦訳論考１７篇。
目次
ランスのノートル・ダム大聖堂
悲劇＝母
髪
プロメテウスとしてのヴァン・ゴッホ
天体
風景
好運
戦争の脅威
聖なるもの
星を食べる人々―アンドレ・マッソンの天才〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渡邊利道
5
単行本未収録未訳エッセイ集。表題作はカトリック時代の習作で、いかにも若い情熱がみなぎった爽やか希望いっぱいのもの。だが聖性（至高性）へのこだわりや情熱の燃え上がりなどは後年をストレートに予感させる。他、人類学的だったりシュルレアリスムだったりする短いものなのでむしろ大著よりもややこしくなくバタイユの考えが感覚的にわかりやすいかもしれない。ランボーに詩の、ゴッホに美術のメルクマールを見る天才論はロマン派との断絶と連続を考えさせる。2018/11/28
