角川文庫<br> ジョイ・ラック・クラブ

角川文庫
ジョイ・ラック・クラブ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784042472018
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1949年、サンフランシスコ。過去の影に引かれるように4人の中国人女性が集まり、マージャン卓をかこみ、点心を食べ、中国での昔話をする会をひらき、その会を“ジョイ・ラック・クラブ”と名づけた。それからほぼ40年が経って、メンバーの1人が亡くなった。その娘があとを引き継ぎ、母親の長年の希いと悲劇的な秘密を初めて知らされる。それをきっかけに、“ジョイ・ラック・クラブ”の女たちは各々の過去をたどり、記憶にとどめ、物語りたい衝動にかられていく―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

102
『翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK』にて紹介されていた作品のひとつだが。ここでの紹介はどれも夢中になったが、こちらは唯一読書の楽しみを感じられなかったな。移民文学が合わないのかも。考えてみればジュンパ・ラヒリもカズオ・イシグロも…。彼女達が、地元の色んな人種の人たちと卓を囲んでくれたら楽しかったのになと思う。2020/12/21

nobi

53
最初の章の序からチャイナタウンの喧騒と中国人の?少し妄想的な世界に入っていくよう。生活も思考回路も違う。ジョイ・ラック(喜福)と名付けられたクラブは日本軍が攻めて来る前の桂林で始まった女達の集まり。麻雀していれば災いとか哀しみとか娘との確執の溢れる日常から逃れられる。蟹を食べ、おしゃべりもする。皆追い立てられるようにアメリカに渡ってからも麻雀は続けた。彼らは感は働くが、中国の吉凶禍福禁忌を背負いアメリカ育ちの娘の神経を逆撫でする。でもその母親が時折見せる情の厚さに、娘が時折母を想う気持ちに、心が熱くなる。2025/04/19

カムイ

27
麻雀卓囲む、4人の女性達の会話から始まる物語、中国共産党確立に伴い、アメリカヘ移民した彼女らそしてその娘達に焦点八人の過去、そして今を活写している、中国での壮絶な回想、今のアメリカ生活の葛藤、4人の会話は洒脱でブラックである、凄く良い本だ、これからも、何度も読み返したくなる本になります。2019/07/02

ブラックジャケット

10
中国共産党が全土を掌握して政権を確立したのが1949年、アメリカに移住した中国人は多い。サンフランシスコに居を定めた四人の中国人女性が、麻雀卓を囲み親交を暖める。それが題名となった。すでに最終章という段階になり、四人の内一人は亡くなってしまった。しかし四人とも子供に恵まれ、娘たちがアメリカ人として確固たる生活を始めている。この新旧八人の物語が連作短編として語られる。衝撃度は中国編だ。双子姉妹の赤ちゃんを置き去りにせざるを得なかった母親。娘と生きるために、富豪の第四夫人にならざるを得ない環境。世界は広い。 2018/12/02

ぱせり

6
八つの人生の物語を小間切れに読んだはずだけれど、実は、母と娘と、二つの物語だったような気がしている。そして、二つの物語は、いつだって入れ替わるように思うのだ。母は誰かの娘であるし、娘は誰かの母でありうるのだから。途切れることなく続いているこの流れがどうして葛藤や絶縁の連鎖であるだろうか。2021/02/21

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