角川文庫<br> フルメタル・ジャケット

角川文庫
フルメタル・ジャケット

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042447016
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

4万6千人の戦死者と30万人の戦傷者を生み、1400億ドルの戦費を費やしてベトナム戦争は終った。本書は、ハイスクールを卒業してすぐ海兵隊に入隊し、苛酷な訓練を経てベトナムに送りこまれた若者たちの物語である。“倒れた戦友を決して見殺しにしない”海兵隊のそのモットーのもとに、彼らは“地を這う虫”となって、緑の牢獄の中をさまよった。残虐な殺人者と化した若者たちが、狂気の果てに見たものは何だったのか? 「ディアハンター」「地獄の黙示録」を経て、この悲劇的な戦いにまったく新たな光を当て“ベトナム戦争に関する最良のフィクション”と評された傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字スキー

16
映画も勿論素晴らしい。個人的にはR・アーメイ演じる軍曹の鬼っぷりは映画界の至宝だと思う。しかし……ベトナム戦争終結から十年と経たずに書かれたという本書の壮絶さは映画以上だった。語り手であるジョーカーは映画以上にタフな海兵隊員として描かれ、敵味方を問わず数多くの死にまみれながら除隊の日を切望する。「銃は決して“こいつは冗談さ”とは言わない。戦争が醜悪なのは、真実が醜悪だからで、戦争そのものは実に真摯だ」「俺たちは自由のためにベト公どもを殺してると思ってるのか?冗談じゃねえ。こいつはただの殺戮よ」2016/08/25

エヌ氏の部屋でノックの音が・・・

8
昭和61年 3月10日 初版。映画から先に入ったので、あまりも違いにがっかりした。教官がマイルドな感じがしたし、バーナードの狂気になっていく過程もスッと行ってしまった感じである。ジョーカーは割りと数を踏んでいる設定だったし、ベトコン少女の「キル・ミー」も無かったし。まあしかし原作から映画にという流れでもがっかりしたのではと思う。2017/10/31

どらがあんこ

3
反戦小説なのかなと手にとった一冊であったが、実際は兵士の視点から淡々と戦場が描かれていく。 戦争や死というものは飾られがちなのだなと思う。そんなごてごてした装飾を排除したところにある"死"や"戦争"はきっと彼らが語るように"真摯"なのだろう。 しかしこれを狂気と概念化してしまうのは読者の姿勢としては逃げであると思う。彼らは自身が狂っているとは1mmも思っていないはずだ。ただ衝撃を受けて何も言えなくなってしまうのが正解なのかもしれない。2018/05/24

TCrb

3
映画から来ますた。ある程度の筋は共通しているものの、やはり違いは大きい。まず、映画で高く評価された訓練所シーンは原作の六分の一に過ぎず、そして映画は原作の三分の二で終わっている。何より、レナードとジョーカーがそれぞれ「一人の人間を殺すまで」を描いた映画とは異なり、出征後の原作ジョーカーはすでに何度かの殺人経験を経てある種の受容の境地に至っている。ゆえにあのトドメに劇的な意味は無いし、彼の皮肉趣味と戦場を見つめる視線は冴えを増している。原作のみのパートである密林行軍、そこの研ぎ澄まされた描写が特に素晴らしい2011/05/09

ジャガラモガラ

2
どのような困難に際しても「そういうこと」と言って受け入れるジョーカーはタフな人間だ。運命に従順で幸不幸を真摯に受け入れている2019/05/08

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