感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兎乃
24
個人的に石井洋二郎氏の翻訳が好み、でも、悪くない。栗田訳のほうに人気があることも判っているし。「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の邂逅のように美しい」この一節に関しては、レヴィ=ストロースが1977年の来日講演で、明晰な分析を提示している。講演で言及したマックス・エルンストの「シュルレアリスムとは何か」と題されたテクスト:「一見したところ対立的な性質を持った二つないしそれ以上の要素を、さらにそれらと対立的な性質を持つ平面の上で近づけると、詩的な炎が突然激しく燃え上がるきっかけとなるという現象、→2013/03/23
やいっち
15
ロートレアモン、本名はイジドール・デュカスは、1880年24歳で一人、ひっそり亡くなった。ということは、この作品はまさに夭折の作家の作品ということになる。2017/08/22
hikarunoir
4
悪意と同性愛の連続するイメージを、ここまでの濃度で長文として凝縮させた集中力が、詩人の寿命を縮めたに違いない。2012/08/15
Э0!P!
3
大学生の時に読んで頭をかき乱された本。ミシンと蝙蝠傘の引用があまりにも多いので、早いうちに読んでよかった。どこかでもう一度読み直したい。
nightowl
2
退廃と耽美が極まる世界。人を破滅へと誘う魔性の青年像を鮮やかに描き出す。1990年代後半のヴィジュアル系に通じる妖艶な源流が、この作品には確かに息づく。翻訳のフィルターを通しても分かる言葉の選び抜かれた美しさ。意味の有無は読み手それぞれの感性に委ねられている。2025/04/26
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- 和書
- 景気の読み方