内容説明
営倉―それは兵士にとって特別の響きをもつ言葉である。軍規に抗した者が行きつく窮極の場所。プルーイットはいつしかそこへ送りこまれることを予感していた。だがそこも、愛する軍隊の一部ならそれもいいではないか…。それは思わぬかたちで訪れた。上官に対する反逆、しかもナイフをふるっての傷害。プルーイットは従容として営倉に送られた。彼がそこに見たものは、営倉のなかでもしたたかに生きぬく男たちと、人間の最後の尊厳までもはぎとる、すさまじい懲罰の実態であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
113
プルーが援護できなかったアンジェロの一人での反乱。彼は軍隊の中の地獄、営倉に送られた。そしてほどなくプルーも殺傷事件を起こし営倉に送られる。過酷な中にもある日常。そして人妻カレンとウォードンの恋愛。彼らの恋愛模様でこの巻が終わるからか、表紙がどうも軽くていけない。この三巻で終わりかと思ったら角川文庫では四巻まで。図書館から借りれるまで、アンジェロとプルーの今後が気になってヤキモキしそうだ…。2016/12/21
NAO
54
鬱屈が溜まる一方の軍隊生活に、仲間の一人アンジェロがたった一人の反乱を起こす。アンジェロを援護しきれなかったプルーイットは危うさを増していく。双方ともに自意識が強く互いに反発しあっているように見えるプルーイットと隊の実質的トップともいえる曹長ウォードンが束の間共感し合う場面は心に残るが、だからと言ってウォードンにはプルーイットを止めることも守ることもできない。なんという、軍隊生活。2017/11/05
takeakisky
0
アンジェロの軍法会議と営倉。同性愛者摘発。スタークの忘れられない恋。再志願兵ブルーズ。wardon-wardenとプルーの語らい。とうとう営倉入り。アンジェロとの合流。自分を殺しさえすれば、楽な道が展けることは誰もが分かっているが、できない。本当に自分を殺してしまう者。何かほしいと思ったときにゃ、もうその中に入りこんでるんだぜ。自分を無くす穴倉での試み。愚直に山を動かそうとする彼らに対し、ウォードンは山へと動きだす。不本意ながら。彼らのアイデンティティと社会とのギャップがどんな幕切れを迎えるのか。2024/08/27
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