内容説明
覆面の騎士ゾロは、強きをくじき弱きを助く、大盗賊にして紳士。その首には賞金がかかったお尋ね者だが、男気溢れる快刀乱麻の活躍ぶりに、密かに応援する者も少なくなかった。元大地主の美しい一人娘ロリータは二人の青年から救婚されていた。ちょっと気弱な大富豪の息子ドン・ディエゴと、野心たっぷりの青年将校ラモン。ところが、彼女は追われてわが家に逃げ込んできたゾロに一目惚れしてしまう…。決闘あり仁義あり、恋も笑いもスリルも溢れる、一大冒険活劇の大傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
277
良くも悪くも冒険活劇小説。ゾロの正体は最初のほんの数ページで分かってしまう。まあ、それでもいいかというレベルの物語。時は18世紀後半から19世紀前半。物語の舞台はスペイン統治時代のカリフォルニア。なにしろ、あのロスがレイナ・デ・ロス・アンヘレスと呼ばれていた、まだ村だった頃の時代だ。全編を貫くのは徹底した「勧善懲悪」。そして、スーパーヒーロー、ゾロの八面六臂の大活劇。剣と恋と酒といった、もうどうしようもないくらいの通俗性に満ちた世界観。文学からは程遠い、もはや紙芝居の世界だ。さぞや大人気小説だっただろう。2016/01/30
みや
30
映画を観たことはないけれど、流石にゾロの名前は知っていた。普段は全く読むことのない冒険活劇。不安だったが、最後まで楽しめた。100年近く前の作品ということに驚き。全く色あせておらず、スピード感があり、非常に読みやすかった。ゾロを始め、どのキャラクターも魅力的で、役割も分かりやすい。深く考えることなく、ゾロの世界に入りこめた。ドン・ディエゴの「甘い言葉で口説くのが面倒。また来るのも疲れるから結婚する気になったら式の日程を伝えて」というやる気ゼロの価値観が私と同じで嬉しかった。情熱的なゾロより好き。2016/07/22
NAO
23
西部の砦で敵と対峙し、剣と剣の一騎打ち。テレビ放映されていた時はあまりにも幼くて、大きな黒いソンブレロ、黒い仮面、黒い仮面のかっこいい男性が活躍するということしか覚えていなかった。ちょっと古臭い感じがないでもないけれど、それでもこういう活劇は文句なしに面白いですね。アメリカ人が西部劇を楽しむのと、日本人が時代劇を楽しむのは、似ているような気がする。2015/08/20
bakumugi
10
【ガーディアン1000冊!】勧善懲悪の元祖ともいえる小説だが、必ずしも完全好漢じゃない!(普段のカバイエロから程遠いディエゴもゾロの一面)面をのぞかせるエンディングも面白く、古くさは感じない。かいけつゾロリやナガネギマンに馴染みはあるが(笑)、案外本家を読む機会がなかった。ガーディアンコミュに感謝。2015/07/08
カザリ
9
超おもしろかった!(笑)というか、自分、ゾロの正体わからなすぎ。。とにかく、抱腹絶倒で、それぞれのキャラもよかった。最高だね!つらい状況だったから、いっぱい笑わせてくれて、ほんとうに嬉しかった。ベストセラーなわけだね!ほんとうに、楽しかった。ありがとう~!2013/04/07