角川文庫<br> ワルツへの招待

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角川文庫
ワルツへの招待

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  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042231011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

252
本書が出版されたのが1932年、描かれているのは1920年代。いずれにしても、戦間期の平和な時代だ。著者のロザモンド・レーマンは、ヴァージニア・ウルフよりも20歳ほど年下だが、'20年代~'30年代はウルフの全盛期だ。当然ロザモンドにはウルフへの憧憬があっただろう。小説作法として「意識の流れ」を強く意識したのもそのためであったと思われる。ただ、本書では、それが17歳の少女オリヴィアの地域社交界へのデビューたるダンス・パーティに中心があるがゆえに、どうしても日常の域を超えることはなかった。⇒ 2016/01/04

ケイ

125
まだふわふわとした少女時代の、深き悩みを知らぬ主人公。貧しさを知らず、家族にも大きな問題のないオリヴィア。恋愛の本当の苦しさも、失恋の辛さもしらない。社交界にデビューし、色んな相手と踊りながら、期待に胸をときめかせている。しかし、私はこのような状況にはときめかないので、短いとはいえ後半はなかなかしんどい読書となった。解説には続編の紹介があり、そちらの方が読み応えがありそうに思える。2017/02/05

まふ

99
英国の中流家庭の姉妹ケイトとオリヴィアが舞踏会にデヴューする前の高揚した気分と当日経験した楽しい出会いをかなり忠実に描いた作品。舞踏会におけるオリヴィアの様々な人との出会いシーンが(ダラダラと?)続き、舞踏会の終わりとともに本編も終わるため、昔の少女物語(?)のような気がしたが、このあと「恋するオリヴィア」へと続くようなのでさもありなん、と納得した。作者はエリザベス・ボウエンと並ぶ現代英国の代表的な女流作家、との紹介があとがきにあったが、パンチ力はボウエンの方があるような気がする。G669/1000。2024/12/18

NAO

62
かつては裕福だったが今や陰りが見えるカーチス家の次女オリヴィアが、その地一の貴族の家の舞踏会に招待される。舞踏会までのふわふわとした高揚感や、当日様々な男たちの様子を見つめ初めての舞踏会に半ばぼうっとしながらも舞踏会の華やかさの影に見え隠れするもの目に焼き付けていくオリヴィアの意識の流れが、初々しい感覚で描かれていく。意識の流れといっても、ヴァージニア・ウルフやフォークナーほど長々とした意識的なものではないが、多感な少女の心の揺らぎとその場に完全にはのめりこめないでいる少し冷めた眼差しが何とも瑞々しい。2018/06/01

しょうご

1
時は第一次大戦後、数年後のイギリス、取り立てて心躍ることはなく、主人公オリヴィアの日常・舞踊界を中心とした様が描かれている。今の世界情勢を見ていると緩すぎで感情に波風が立つこともささくれ立つこともない。世界が平和であれば長閑な十代の感受性豊かな少女の視点で揺れ動く心を楽しむことができたのかもしれない。2024/03/24

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