内容説明
メグの結婚そして出産から、姉妹の人生はついに花開き始めた。ジョーは好きな物書きを続けながら一家の長として姉妹の面倒を見、一方で盟友ローリーからの求愛に悩んでいた。エイミーは少女らしさを残しつつ、慎みや思いやりを学び憧れのレディへの道を突き進む。そしてベスは、弱りゆく体の声を自ら聞きながらも、心安らかに、自分にとっての幸せを見いだしていた。姉妹それぞれが真実の愛と人生をみつける、感動のドラマ。
著者等紹介
オルコット,L.M.[オルコット,L.M.][Alcott,Louisa May]
1832‐1888。ペンシルベニア生まれ。超絶主義の学者として名を馳せた父と理解者である母のもと、四人姉妹の次女として生まれる。引っ越しを繰り返す貧しい一家を助けるため、15歳にして真剣に執筆を始め、早くから作家への道を歩んだ。南北戦争が始まると看護婦として従事し、その折に書いた『病院スケッチ』が作家としての第一歩となる。1868年、半自伝的小説ともいえる『若草物語』が出版されるや、一躍名声を博し、以後様々な作品を発表。少女小説の書き手として世界中で愛された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おか
71
続編で やはり一番印象に残るのは ベスの死です。家族が見守る中 少しずつ衰えていくベス。そして まるで神の手により 天使となって家族の元にとどまっているかの様な描写に心を打たれた。そして 続編では ベスの結婚 そして出産、エイミーの結婚、そして あのジョーも結婚して ご主人と少年達の学校を創立する、、、読んだ筈なのに 余りにも遠い日々で よく覚えていなかった。今回は 四姉妹の母であるマーチ夫人の女として 妻として 母としての賢明さに憧れを抱いた。2018/07/01
崩紫サロメ
26
四姉妹の10代終わりから20代。恋愛や結婚、死、それぞれの道に分かれていく、一番の激動の巻。様々な場面で見える、姉妹の矜恃や意地の描写が上手いなぁと。幼馴染みのジョーとローリーの破局、妹の婿としての再会の場面。二人の幸せを祝っているのも本当だけど、「僕を今もテディと呼ぶのは君だけ」と言われてちょっとくすぐられるところがあるのかなぁ、などなど。こういう心の機微のようなところは、大人になって読み返すといろいろ面白い。2020/05/14
コニコ@共楽
23
マーチ家四姉妹のその後、3年後からお話は始まります。ジューンブライドになるメグ、作家として成長していくジョー、天使のようなベス、気品を身に着けたエイミーがそれぞれの人生を歩んでいきます。原題は「Little Women Married, or Good Wives」。第一巻のような屈託のない明るさはありませんが、人生の悲哀や喜びが刻まれてジーンときました。特にマーチ夫人の我慢強さと知恵には見習うべき点が多々ありました。成長した娘たち、孫たちに囲まれたマーチ夫人こそ影の主役かもしれません。2021/05/18
ゆり
19
大人になりつつある姉妹達。皆成長していてロマンスを育む。エイミーはかなりいい風に成長したな……ぐっときました。貧乏ながらに心は気高く工夫を凝らして明るく他者に気持ちよく、真の貴婦人というか。ジョーとローリーが男女の恋愛としては上手くいかなかったのも、今読むと納得できる。メグとジョンの家庭生活の描写もなかなか印象的。旦那さんも性格が違う別の人間だ。ジョーとベア先生の馴れ初めからの関係も素敵だなと思いました。そしてべスが透き通るように清らかにいってしまうのが分かってはいたけど悲しい。2020/08/22
はるき
19
子供の時と大人になってからの二通りの楽しみ方ができる稀有な作品。四人姉妹がそれぞれ大人になって人生の伴侶を得るまでの優しい時間がゆったりと流れていく。落ち着いた家庭を築くメグと尊敬できる伴侶を選ぶジョー。ローリーを支える賢婦人へと成長しそうなエイミーと自分の人生を生き切ったベス。女性たちがそれぞれの人生を懸命に生きることで成長していく眩しい物語である。2016/02/21