内容説明
ギリシアの血とアイルランドの血をうけたハーンは、東洋の孤島に放浪の足を止め、「日本の魂の発見者」となった。この神秘的な浪漫詩人は、印象的な筆致で物珍しい生活と美と心を描いた。「盆おどり」など23篇収録。
目次
東洋の第1日
盆おどり
子供の霊の洞窟―潜戸
石の美しさ
英語教師の日記から
日本海のほとりにて
日本人の微笑
夏の日の夢
生と死の断片
停車場にて
門つけ
生神
人形の墓
虫の楽師
占の話
焼津にて
橋の上
漂流
乙吉の達磨
露のひとしずく
病理上のこと
草ひばり
蓬莱
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshiyuki Kobuna
10
ラフカディオ・ハーンが発見した日本そのもの。民間伝承の生の記録。それはささやかでかすかでありながらも美しく、それを発見してゆくハーンの眼差しがまた優しい。彼が見つめ続けた、いとおしいかつての日本を、その素晴らしさを、是非味わってみていただきたい。2019/01/28
伊藤 ライナ
4
ラフカディオ・ハーンが見聞きして解釈した記述を、訳者が解釈した翻訳を読者が解釈することで日本の美しさが増す。残念ながら暗部もあるが、それでも日本は魅力的な国なのだと気付かされる。2016/08/25
HOHHOO
1
やや誇張された部分はあるものの、日本語の美しさ 田代三千稔さんの訳文の美しさ。外国文(英文)を様々な日本語表現で、重厚かつ生き生きと 日本の特有の文化、所作に対する研究や思慮の深さに感嘆 日本人よりも深く日本について知る外国人のエッセイ 「日本人の微笑」章の日本人考は一読の価値あり。他人への配慮(愛する人への心配や苦痛を与えるかもしれない)から、一見不都合な場面でも微笑を行う。 感想を表現できない自分の日本語力が哀しい2019/01/03