感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月音
2
神とキリストへ熱烈な信仰を捧げる隠者パフニュスと、美と快楽をほしいままにする舞姫タイス。聖と俗、二人の立場の逆転を軸に、紀元300年代のエジプト・アレキサンドリアの活気、沙漠や都の片隅で生きるキリスト教徒たちの信仰がいきいきと描かれる。宗教者、哲学者、軍人たちが集うタイスの宴席は、神話やギリシャ哲学、キリスト教アリウス派、多宗教の思想がまじりあい、文字通りロゴスのカオス状態。創世記やキリストについての独特な解釈、パフニュスの幼馴染で彼に大きな影響を及ぼすニシアスの存在感が面白い。⇒続2024/07/27
tekesuta
1
あまり真面目な人を笑ってはいかんのだが、異教徒に噛み付くパフニュス、あるいはニシアスに嫉妬(しかも本人自覚なし)するパフニュスが面白すぎる。話の筋だけ追えばなかなかの悲劇だろうと思うが、喜劇にしかみえん。 2012/10/11
ヒイラギ
0
古本屋で角川リバイバルが沢山あったので嬉しくて買ってしまった最初からわりと好きなんだろ、と思わせる言動のパフニュス。聖人に祭り上げられたり、確かに少し調子乗ってるふうだけど、どうなんだろう。この挫折で一回り大きくなれたらいいですね?ってことかな2015/01/27
katka
0
ピエール・ルイス『アフロディテ』(1896)から、わりと安直な連想の続きで本作(1890)です。アナトール・フランスの傑作に挙げて疑いない小説で文章の美しさ、キャラクターの面白さ、ことに物語中でファンタジックな出来事も描く巧みさをいえば尽きません。わたしは、結末までの筋を完全に忘れていなければ再読時には気持ち(ネタバレ)にやや差し支えるし、あまり純真な読者として読んでいるわけでもないので、今度はフランスの作品を通読するつもりで来ましょう。2024/08/20
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