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内容説明
自然と語り、宇宙を夢み、そしてまっすぐに人を愛した宮沢賢治。高くそびえる理想を見つめる真摯な眼と、絶え間ない現実との葛藤。人々の「ほんとうのさいわい」を願い、突き進んだ三十七年の、短くも今なお激しく輝き続ける生涯を、「作家」としての賢治が生み出した豊かなイメージを織りまぜながら描く生誕百年記念映画、完全ノベライズ版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
25
宮澤賢治の伝記映画ノベライズ。しかし読んでみると、賢治自身より、父・政次郎の印象が強い。夢を追いかけることしかできなかった賢治を、叱責しつつ、影ながらその夢を支えていたのは、実に父だったのであるから。井上ひさしの「イーハトーボの劇列車」は悲劇的だが、この作品の場合は読んでほっとさせられる。それはやはり父や家族、友人に包まれていたことが強調されているからだろう。2015/12/10
志乃
6
宮沢賢治の生涯を描いた作品。というか、宮沢賢治の生涯を描いた映画のノベライズ。確かに映像主体だなと感じた描写がちらほら。しかしこんなに有名なお方なのに、生きてる間にもらった原稿料はわずか五円なんて。でも生き方がまさしく銀河鉄道の夜、そして雨ニモ負ケズ、だなぁ。きっと生涯子供のように純粋だったんだろう。端から見たら不幸せに見えるけど、幸せだったんだろう。大好きな銀河鉄道の夜がどのように生まれたか知れて良かった。2014/12/27
みみっちい二十九
3
賢治の生涯を描いた小説。最後の「雨ニモ負ケズ」で涙が零れた。人のために心を、身を奉げたんだなぁ・・・。2013/06/15
furutoramon
2
残念ながら、宮沢賢治の作品を読んだことがなかったので逆に先入観無しに読めたのが良かった。まさに天才と奇人の両面を合わせ持つ人物だった。生前は、作家というよりも農業の研究者、改革者の横顔が全面に出ている。様々なことに悩み苦しみながら、自分の理想を実現しようとする姿に感動した。2012/07/05