内容説明
さあ、今日はこの本を読むぞ!と思っていたら、友から電話で「今夜、どう?」。甘い言葉にうっかり乗って、気付けば朝までジャン卓を囲み…。妻子、友人、酒、博打。数多の敵が邪魔をする、ままならないこの読書人生。しかししかし、それでもひたすら本を読む。敵が多ければ多いほど、やせ我慢すればするほど、読書は楽しく、本への愛はつのるのだ!当代きっての本好きにして読書のプロ、目黒考二が本とともに在る人生のよろこびかなしみをつづる情味溢れるエッセイ。
目次
第1章 活字の愉しみ(本は外から見ているだけがいい;読書の敵は何か ほか)
第2章 気になる本たち(大人の恋を読む;生物学の日々 ほか)
第3章 小説雑誌を読む
第4章 競馬本15番勝負プラス1(「血闘」競馬論1;日本ダービー物語 ほか)
第5章 貸本屋に通っていた日々(都立文京高校;親子酒 ほか)
著者等紹介
目黒考二[メグロコウジ]
1946年、東京生まれ。明治大学文学部卒。76年、椎名誠氏らと「本の雑誌」を創刊。現在本の雑誌社顧問。文芸評論家・北上次郎としても活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
67
僕は小学校から今まで、多分毎年200冊以上の本を読んでいる。生きるためにそれほどの読書を必要とするのは、自分の何かしらの欠如によるもので、「この読書量は恥ずべきことだ」と思っていた。でも、目黒考二を知って救われた。若い頃の目黒が草森紳一「底のない舟」の「あの雑文群の総体こそが、魯迅の悲壮な栄光であったのである」という文章で覚悟を決める。「自分は多分作家にはなれないだろう。評論家にもなれないだろう。一生、本を読む人でいい。一生、雑文を書く人でいい。、、、椎名誠と『本の雑誌』を創刊する2年半前のことである」→2023/01/28
キク
44
すごいタイトルだけど、作中では椎名誠から夕方にかかってくる「打ち合わせしようぜ」という仕事の電話まで敵に認定しかかってて笑える。若い頃、結婚を考えていた女性に、彼女の1番好きなケストナーの「2人のロッテ」について感想を聞かれ、よく分からなかったとは言えず、なんとか褒めようとしている時「あ、自分は今嘘をついている」と思ったことが、長い読書人生の中での唯一の嘘だという。その彼女に「一生、本を読まないって、できる?」と聞かれ、何も言えずに終わった。賢い女性だったので、私の弱さを見抜いていたのだ、という。→2021/06/06
こむこむ
11
タイトルが良いね。私は装幀も好きなんだけど、ハードカバーになると持ち歩きたくないから、文庫が好き。面白くなかったら全部は読まないので、短編が好み。私は、酒もギャンブルもやらないし、生活を共にする人もいないから、読書の最大の敵は眠さかな。1日5時間くらいは寝るようにしてるけど。真ん中くらいの2段組のところは頭に入ってこないので読んでない。新聞とか読まないので短く折り返されるのは苦手かな。2024/01/16
takeapple
11
目黒考二さんの訃報に接して、読み返して見ました。はじめて本の雑誌を買って以来、読書の師匠だった目黒考二=北上次郎がいないこの世界でどうしたらいいのだろう。もうこれを書いている目黒さんはいないけれど、ここに出て来る本を探して読んでみようかな。本についての考えとか、私と同じ考えだって、当たり前だよね、目黒さん北上さん、本の雑誌が師匠で、それを真似てきたんだもん。2023/04/16
山田太郎
5
確かに家庭は読書の敵だ。ということで、今から一緒に買い物に行ってきます。2009/05/10