出版社内容情報
英文学翻訳家のホームページに殺人予告のメッセージが書き込まれ、翌日、都内で猟奇他殺死体が発見された。編集者の喜屋武蛍子は姪が自分に黙ってこのホームページにアクセスしていたことを知り、疑念を抱くが!?
内容説明
英文学翻訳家でフェミニスト、沢地逸子のホームページに「生理ガハジマリマシタ。ヨッテ、明日、母ナル神ニ生キ贄ヲ捧ゲル儀式ヲ行イマス。コンドハ人間デス」という不気味なメッセージが書き込まれ、その翌日、都内で大学生の猟奇他殺死体が発見された。沢地の担当編集者、喜屋武蛍子は、同居している姪の火呂が自分に黙ってこのホームページにアクセスしていたことを知り、疑念を抱く。火呂には胸に蛇の鱗に似た痣があり、かつてそれを見た神女が海蛇の生まれ変わりだと告げた記憶が蘇ってくる。書き下ろし長編ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
128
蛇神シリーズ②をほぼ2年ぶりに再読。前巻ラストでの日美香の決意はどこへやら、序盤から描かれるのは都内での猟奇殺人やら、フェミニスト英文学翻訳家ホームページへの予告書き込みなどと戸惑うばかり…おまけに時系列は平成10年と同時期でもあり「どういうこと!?」…それがまた針の穴通すような経緯から繋がり出すともうニヤニヤ止まらず。徐々に判明する荒唐無稽極まりない事柄を訝しむ人物達をよそに、もちろん前作読んでいるからこそ知る真実に重なるお得感が凄まじい(笑)さて準備は整った!いよいよ気分は未知の日の本村へ飛ぶばかり♬2020/01/22
nobby
118
シリーズ第2弾。“真女子”と名乗る女性による猟奇殺人は、手足が切断され、抜き取った心臓に代わり黄色いゴムボールを詰め込み、その心臓と男性器を持ち帰るという狂気の沙汰…それからの神話が長く難解だが、気付けば見事な伏線に繋がる。また並行して展開する編集者の周辺模様が徐々に慌ただしくなるに連れ、これも爽快に蛇鱗の様な痣・現職大臣の名前など前作思い出す事柄に絡まりだすと、いつのまにか気分はすっかり“日の本村”へ。広げ過ぎではと心配もした本筋も、やはりその人かと犯人に納得と哀しい余韻もありながら続編ひたすら楽しみ♪2017/12/03
みっぴー
57
蛇神シリーズ第二弾。今回は沖縄の伝承をもとにしてストーリーが展開。ネットに書きこまれた犯罪予告。都内で起きたむごたらしい連続殺人。被害者は手足を切断され、心臓にはテニスボールが。。。意外な所で前作と繋がり、誰も彼も怪しく見えてきて、ラストまで本当に真相が分からない…。都内が舞台なだけに、前作と比べ、おどろおどろしい感じは減りましたが、それでもやはり素晴らしいリーダビリティ。読者を飽きさせない今邑さんの筆力に毎回驚かされます。あと二冊、どんな話が待っているのか…2017/11/07
mii22.
53
蛇神シリーズ2作目。都内で起こった連続猟奇殺人事件には、沖縄の女神アマミクの神話にまつわる儀式めいた匂いがする..。今回も国内外の神話の説明を含むコラムの部分が興味深くはあるが長い。そして、またしても出ました!胸に蛇の鱗に似た痣がある人物。終盤になって前作との繋がりが見えはじめるとゾクゾクとしてきてページを捲るてが止まらない!面白いぞ面白いぞと思っていたら..もうおしまい!前回も言ったけど、この先、どうなるのよ!2016/02/14
じゅんぢ
47
このシリーズ今の所大満足だ。ただ自分には文才がない為、このシリーズの面白さを伝えることができない。無貌伝シリーズや猫柳シリーズの時感じた面白い本をうまく伝えきれないもどかしさを今回も感じた。2018/02/28