内容説明
東京湯島のラブホテルに、怯えた様子の男女がチェックインした。数時間後、あとからホテルに入った男が殺され、ただちに捜査本部が設置される。殺された男は、ゼネコン疑惑で取り調べを受けて保釈されたばかりの建設会社の副社長だった…。“本来ないことになっている”巨額の裏金の担当部長として、家族とも別れ、周囲の眼や正体不明の影の手に脅かされながら逃亡生活を続ける男の苦悩を描き、現代社会の暗部をえぐる、会心の文庫書下ろし長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょう君
7
19年振りに再読(笑)小説だが実名が出てくる。かつて田中角栄をロッキード事件で有罪にした泣く子も黙る鬼の東京地検特捜部。昭和62年から平成元年の金丸元副総裁の脱税事件をきっかけに大手ゼネコンと政治家の贈収賄事件を摘発していき金権体質の自民党を揺るがせた。小説では、ある中堅ゼネコンの営業マンから政治家への裏金を管理する部門へ回された男が特捜部の捜査から逃れる為に逃亡生活をするというもの。そして最後は指示役の副社長を刺殺してしまう。バブル時代の建設業界が舞台。企業小説の雄で今は亡き清水一行氏の奥の深い小説。2015/09/15
ipusiron
0
1998/10/1読了
藤澤謙光
0
う〜ん…2018/09/15
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