内容説明
咆吼する凶獣。夜の子供たちの遊戯。フィルムを廻す緑の指。赤き仮面のノック。残酷童話の姉妹…。ホラー短篇という“異形の小説”に、新たな地平を切り拓いた現代の異色作家による、ビザールでフリーク・アウトな怪奇幻想短篇集『異形博覧会』、遂に待望の第三弾。失われゆくものへの哀感と戦慄を詠った叙情詩「夜を奪うもの」、空に震える女の妖異を描いた実験作「怪鳥」など短篇&超短篇27話を収録。恐怖と異形の晩餐会にようこそ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
13
☆1.5 うーん…。だめだこれは。各タイトルを見ればバラエティ豊かで面白そうなのだけど、どれを読んでみてもつまらないのよ。精神世界というか夢心地というか、ふわふわしていて「結局何が起きてる? 何が言いたい?」と頭の中はモヤモヤが大量発生。申し訳ないけど早期リタイヤさせてください。2025/02/07
5〇5
3
~10文字レビュー~ 「悪夢のコースで満腹感」2025/02/03
やまちゃん
2
第5部「幻獣辞典」、特に〝キマイラ〟はドキドキしました。珍奇な生き物、フリークスなど個人的には大好きなテーマなのですが、残酷な結末でもどこかロマンチックな雰囲気を漂わせ、血みどろなのに上品、後味は不思議と悪くない!井上氏の筆力のなせる技だと思います。三部作、全て読了しましたが、かなりお腹いっぱいです(笑)しばらくこの手のものはお休みしようかな。私の貧困なボキャブラリーでは、いい喩えを思いつきませんが、〝闇〟をスタイリッシュに、美しく華麗に表現した作品集だと思います。2013/12/19
さち
1
ホラーのお約束でクスリと笑えたり、意外な結末もありで、当分ホラーはいいかなと思えるぐらい満足。あまりホラーは読まないけれど、これは分厚いのに読みやすかったです。2016/07/21
Quants
0
氏特有のぼかす表現はまるで巨大な物体を顕微鏡で見るかのような試みをさせられます。その全体を掴めないもどかしさは、字面まで選び抜かれた語彙と幻想生物の登場といった、細部まで作りこまれた連想ゲーム的意匠によってプラスの効果に変換されてしまいます。本作で特に気に入ったのは、「比喩の中の幻獣園」。著者は実際にどうやってこの多ジャンルに生息する幻獣を集めたのか。普段からメモしていたのか。まさか全て記憶に残っていたのか。非常に気になります。2014/03/15
-
- 和書
- うまいダッツ