内容説明
自他ともに認める鉄道ファンの有栖川有栖が、国内外の鉄道ミステリの名作を厳選。ホームズ最大のライバルの活躍譚「青いスパンコール」から、漫画、エッセイ、ショートショートまで、バラエティに富んだラインナップ。さらに有栖川が原案に加わったミステリ・イベント「箱の中の殺意」も紙上完全再現!旅と謎をこよなく愛する人たちへ贈る、珠玉の鉄道ミステリ・アンソロジー。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。89年『月光ゲーム』で作家デビュー。書店勤務を続けながら創作活動を行う。94年作家専業となる。2000年本格ミステリ作家クラブの設立に参加。03年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞を受賞。本格ミステリ作家クラブ会長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑞佳
47
わたし自身は特に鉄ちゃんではないのですが、鉄道に関することは読むのも見るのもけっこうスキです。しかもこれまたダイスキな有栖先生推しの鉄道ミステリときた。堪能させていただきました。ずらりと並んだメンバーはどなたも大御所ばかり。しかしながら名前しか知らなかったわたしにはどの作品も新鮮でとても興味深く読ませてもらいました。特に印象深かったのはフィリップ・K・ディックの『地図にない町』。幻想的でノスタルジックで、時計の針が狂うような奇妙な読了感はわたしにとっては十分ホラーなのでした。2017/09/25
へくとぱすかる
37
ソーンダイク博士もの短編第一作から、鎌倉ものがたりまで。圧巻はやはり最後の「箱の中の殺意」でした。戯曲の形で書かれているユニークさで、楽しませてもらえます。既読作品は小池滋「田園を憂鬱にした汽車の音は何か」だけでしたが、久々に論理の妙が読ませるエッセイ。これを機に、小池エッセイの元本を再読しようかなと思います。「地図にない町」「メビウスという名の地下鉄」は、絶品。2016/09/25
よっぴ
18
ミステリ、短編集、アンソロジー。。有栖川有栖氏が選定した鉄道にまつわるミステリ、怪奇、ファンタジー集。いわゆる本格は殆どなくて奇妙な味わいの作品を集めて収録。鉄道物となると時刻表トリックがすぐ頭に浮かびますが、選定基準では無かったようです。漫画「鎌倉物語」からの一編が入っているのが、とても印象的で見事な本格でした。。また最後に掲載の、有栖川氏自身が絡む「箱の中の殺意」はミステリーイベントの台本?を記載。これが凄くしっくりくる出来栄えで、舞台劇として観賞したかったです。2017/03/14
J7(読メ低浮上中)
14
有栖川有栖さんによるアンソロジー第2弾。今回のテーマは鉄道ミステリ。推理ものに限らず、フィリップkディックのSF、西岸良平先生の漫画、エッセイ、ショートショート、戯曲とバラエティに富んだ内容です。個人的には鉄道ってそこまで関心があるジャンルではなかったんですが、このアンソロジーは第1弾「ミステリライブラリー」より楽しめました。巻末解説を読むと、有栖川さんの鉄道に対する思い入れや、このジャンルが持つ幅の広さを存分に楽しんでもらえるよう編纂されていることがわかります。本格ミステリとは違った味を楽しみたい方に。2015/05/14
きあ
10
★有栖川有栖編鉄道ミステリーアンソロジー。鉄道好き・ミステリー好きの私にはもってこいの本でした。変わった作品がみっしりでさすが有栖川セレクション!短編集なので一気に読んでしまいました。最後の『箱の中の殺意』はミステリーイベントを書面で起こすという何とも奇抜なアイディアでしたがとても面白かったです。実際にイベントに参加できないのが悔しいくらいです。2015/06/09