内容説明
今度の依頼はどこかキナ臭い。標的を横取りされた殺し屋の安本兄弟は、暴力団に加えて産業スパイ、公安、CIAまでが入り乱れての熾烈な争いの渦中で、失踪した妹をひたすら探す山人(マタギ)の娘と出逢う。やがて不気味な気配とともに浮上する、コンピューター業界の均衡を劇的に崩壊させかねない新型チップの謎!ある大物右翼が綿密に画策した、日米半導体戦争に新たな地平を拓く巨大な陰謀とは何か―。第52回日本推理作家協会賞受賞の気鋭が贈る、人間ドラマに満ちたノンストップ・ハードボイルドサスペンスの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HARU3
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快作。殺し屋が部屋に入ると既に依頼された標的(女)は死んでいた。祖父が死に連絡の取れなくなった唯一の親族妹を捜しに上京する姉。出だしから好調。敵味方が入り乱れ二転三転最後まで楽しめた。正にノンストップハードボイルドサスペンスの快作だ。★★★★☆2012/01/24
水浅葱
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視点がちょいちょい変わり、様々な方向から真実が明らかになっていく。安本兄弟のキャラが好みなので、もうちょっとハマれるかと思ったけど、ちょっと中途半端さが残った。2011/11/10
ぱーぷる・ばんぶー
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殺し屋の兄弟がターゲットの女の家に入ったときにはすでに女は殺されていた!ダム底に沈もうとしている山間の町から妹を探しに来た女性。CIAのスパイ、大物右翼、公安の捜査員、等々、登場人物が多い!誰が敵で誰が味方か。雪山での逃亡劇など。見所満載です。2009/10/18
なおぱんだ
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殺し屋兄弟が請け負った殺しの依頼の陰で行われる、産業スパイの暗躍とコンピュータ企業が絡む日米の駆け引きを描いたハードボイルド小説です。まさしくノンストップで物語が展開する、とてもスリリングなアクション作品でした。学生の頃はよく大藪春彦や西村寿行などのハードボイルドを好んで読んでいましたが、この作品は今の日本の世相を反映した現代のハードボイルドとしてとても読ませてくれます。2018/02/24