内容説明
占領下の新宿。城山は彼を慕う血気はやる若者に担がれ、城山組をたちあげる。新宿へと流れ着いた百合子は博徒・館岡組に身を寄せ、組長と結ばれる。一方、己の暴力衝動が抑えられなくなった林は米兵狩りを始め、彼らに襲われた百合子を助けたことが縁で、館岡組の食客となる。城山と林は百合子の凛とした美しさに惹かれていく―。極上の三角関係が奏でる闘争と恋情の瞬間。魂揺さぶるエンタメ巨編、いよいよ佳境へ。
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年東京生まれ。89年「ゴッド・ブレイス物語」で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。その後、特異な感性で話題作を次々と発表。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ずっきん
75
小説指南の連載で、虚構の構築の重要さを述べていらっしゃったが、なるほどなあ。「ねえよ」な乙女展開(←あくまで個人の見解です)を納得させる、太く、それでいて情緒ダダあふれる筆致で舞台をも堅固に描く。半丁勝負のシーンが素晴らしい。どんな濡れ場よりゾクゾクした。さて、ワルツを踊りだした三人。どんなステップを見せてくれるのだろう。2019/09/14
ゆか
29
上巻でサラッと関わっただけの3人が濃く関わる中巻。3人ともアウトローな道まっしぐらで、信念が強い3人だからこそこの後バチバチになるんだろうなぁと思うと、ちょっと切ない。百合子を好きな2人っていうだけではなく、男性側がお互いを理解しているし、リスペクトしているだけにこの後のバチバチはきっと辛いはず。そうなった時に自分は誰に感情移入するのかも不明という不思議な小説。2018/04/18
yuki@おぐ
16
【図書館】くどい!男たちの面倒臭いこと"(-""-)"いちいち理屈こねくり回すんじゃない!と言いたくなるけど、止まらず一気読み。「ワルツ」というタイトルが出てきた、、三人でどんな踊りを見せてくれるのか、さて下巻へ2015/08/29
ごんちゃん
9
ちょっと読み疲れ。長いな・・・上中下で約1600ページってか。萬月ワールドにどっぷり浸かってると、現実に戻れなくなりそう。博徒の仕来り、蘊蓄は実に面白い。さあ、次は下巻。 2015/06/22
GAKU
8
「ブルース」、「笑う山崎」にはまった頃の、花村萬月が戻って来た! 久々の3巻一気読み。2015/06/05