内容説明
部長の絶大な信頼を受けていた松山は、彼の愛人の面倒をみるうちに彼女と関係を持ってしまった。松山は自分の家庭と地位を守るために彼女を殺し、殺人の容疑が部長にかかるように仕組んだ。完全犯罪になるはずだった松山にとって、唯一つの気がかりは、殺人を犯した日に電車賃を賃した見知らぬ若者が、何度も松山の所を訪れ執拗に小銭を返そうとする事だった。受け取るとあの日のアリバイが…。意外な結末が胸をうつ表題作他日常に潜むミステリーを描いた傑作、全六編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
96
どこかで読んだことがあるような話が6つ。 わらの男、 ひろった悲鳴、 ラブレター、 皆勤賞の朝、 インテリア、 素直な狂気。 怪奇小説もあれば、恐怖小説もある。 推理小説もあれば、懺悔小説もある。 わらの男は、男の馬鹿さ加減をあざ笑っている自嘲小説かもしれない。2013/12/05
naoyu
8
短編集。どの話も面白く、一気読み。2016/01/08
リプリー
4
蔵書からの再読。 赤川さんは、短編集にも優れた傑作が多い。 表題作を初めて読んだときはいたく感動したのを覚えていて、今読み返すと時期的なものもピッタリ。 しかしながら、「皆勤賞の朝」の意地悪さ加減は今考えると結構凄いな、と。2018/11/30
牧瀬ちゃみ
3
[★★☆☆☆][2014年2冊目]:今読んだほうが怖さを感じられるのかも、と思った。それだけ、人々が内面に隠し持っている狂気が溢れ出している時代なのかもしれないですね。2014/03/12
優
2
「拾った悲鳴」と「ラブレター」が結構、後味が良くて好き。平凡な人が罪を犯して歪んでいくのが怖い。2018/07/29