角川文庫<br> 来るべき世界

角川文庫
来るべき世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 315p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041851173
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スター

44
 昭和の香り漂う古典SF漫画なので正直古さは否めないが、そのレトロ感が心地よい。スケールのでかい設定で、アメリカとソ連を思わせるスター国とウラン連邦の対立に、新たに登場した新人類、宇宙から迫る地球の危機と、盛り沢山の設定を、上手く一作にまとめている。  解説を書いている小松左京の文章も熱い。彼が初版を読んだのは昭和24年だそうで、東西冷戦の影響が、色濃く作中に反映されている。2020/05/10

おさむ

27
1951年(昭和26年)の金字塔的な作品、その先見性や予言性、普遍性には驚くしかない。マンガの神様には未来が見えるのだろうか。米ソ両国を思わせる2大国の戦争、核実験がもたらす生態系の突然変異、ノアの方舟伝説、地球最後の日、格差がもたらす反乱‥‥。その後のSF物語に頻出するテーマがてんこ盛り。さらに、スピード感と躍動感溢れるタッチ。あとがきで著者は泣く泣く割愛した為に、わかりにくくなってしまったと弁明するが、これからも読み継がれる傑作であることに変わりはない。正確には手塚治虫漫画全集の1、2巻で読了。2023/11/20

白義

11
初期手塚三部作のラストを飾るSF大作。黙示録的な不安と狂騒の中で人類の相対化とヒューマニズムを両立させた、手塚治虫の両極的な魅力が詰まった作品。工場に戦場、ミュータントの基地と目まぐるしく舞台が変わる群像劇でありながら読みやすく、いつもの手塚スターたちの名演は鳥肌が立つレベル。精神を磨耗させ虚無的になっていくロックの姿はトラウマになりそうだ。最後の大団円に至るまで、ハッピーエンドなのに呉知英が言う手塚の底冷えするようなニヒリズムや皮肉が張り詰めていて、読んだ後も疲労に近い余韻を残してくれる2012/08/23

還暦院erk

2
図書館本(わたしは手塚治虫漫画全集で読んだが角川文庫の方が入手しやすいと思う)。瀧本哲史『読書は格闘技』ブックガイドに出てきたので興味を引かれて借りた。昭和20年代の作品!人物や建物のフォルムが丸っこくて可愛らしい…なのに戦争シーンは乱闘空襲など容赦無く恐ろしい。SF的には甘い所もあるのかも知れないけれど、テレビ電話・ブラック労働工場・洗脳でスパイ化・動物の身体改造など未来予測が凄い。キャラとしては表情豊かで動きも3次元的なヒゲオヤジが好き。ポポーニャも悪役だけど魅力的。ココアが唯一残念!2020/08/21

jdrtn640

2
以前読んだ『メトロポリス』に比べると、かなり読みやすく楽しめた。両作品の初出は2〜3年しか変わらないはずなんだけど、その間に神様のスタイルが変わったのか、はたまたその後の手直しのおかげかはわからないが。プロットとしてはフランケンシュタイン博士の登場が不自然だったので、あれどこか国際会議だとかで出てたっけと読み返したものの、見つけらず…2014/07/01

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