出版社内容情報
永遠の命とはなにか。不死の〈火の鳥〉を軸に、人間の愛と生、死を、壮大なスケールで描く。天才手塚治虫が遺した不滅のライフワーク。各巻カラーイラストの表紙、巻頭に十六頁カラーを掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっちー
27
壬申の乱直前の近江朝の話と遠い未来の話が錯綜する。どちらも宗教が絡んでくる。効率よく国を作る上で必要なのは、民衆を揃って同じ方を向かせるスローガン。それが熱狂を呼ぶものであれば、神であろうが、「自由!」を叫ぶものであろうが同じ。2016/05/12
hamham
20
オババ…。自分でも言っていたけどあと50年若ければ立派なヒロインだよ…。今でも私の中では一押しヒロインなんだけど。スグルパートはさながらM:I。光の洗脳装置が狼の面なのは何か過去と関係があるのか…。それにしても仏教の神将怖すぎ。空の暗雲に浮かぶ二つの眼。子供時代に見てたらトラウマになっていたはず。でも仏教は釈迦や阿弥陀如来の慈悲ばかり注目されるけど、ヒンドューやインド神話から取り込まれたのも多いから、破壊と調伏を司る人が多いんだよな…。異形編の魑魅魍魎が国ツ神だったとは!これも全て火の鳥の掌の上なのか…。2017/12/25
まると
18
仏教を統治に利用せんとする古代日本と、光と影の世界に分断された未来。通底するのは、国家統制と思想的自由との相克という極めて現代的なテーマだ。さて、時空を超えた2人の主人公がどのようにリンクしていくのか。手塚治虫お得意のループ=仏教で言う輪廻を狙った設定なのか。下巻で明らかになるのであろう。2022/02/15
白義
18
神仏妖怪大戦争のスケール、異形編とここでリンクする感動、肌がぞわぞわするものがある。公式により押し付けられた宗教とそれに抵抗するというストーリーは未来と過去でも同じで、時代が変わっても生命の性は変わらないということを知らされるようだ。雰囲気が全く違うのに構造が似通ったストーリーを一緒に読むのも面白い。今さらだが火の鳥の中で現代劇が描かれなかったのは残念極まるなあ2013/04/13
田中
16
壮大な物語。八百比丘尼にも繋がった。4度目の再読でも感動します。仏教と政治の繋がりを善と観るか悪と観るか。2014/08/23