出版社内容情報
永遠の命とはなにか。不死の〈火の鳥〉を軸に、人間の愛と生、死を、壮大なスケールで描く。天才手塚治虫が遺した不滅のライフワーク。各巻カラーイラストの表紙、巻頭に十六頁カラーを掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スター
41
この巻も面白かった。復活編と、羽衣編を収録。復活編は西暦2482年に始まる。1人の少年がエア・カーから墜落死。 が、東京にある再生ドックで復活する。ところが復活した少年には、生前ではあり得なかった異変が起きていた。 こういう異変が果たして本当に起きるのか、そこにちょっと疑問を持ったけど、スケールのでかい物語を堪能しました。 羽衣編は短い作品で、舞台劇風の展開を堪能しました。 2022/09/30
can
37
復活編も大好きな話になりました！復活編の中で過去と未来が順不同に進んで、結末に導く手法にはびっくり。「火の鳥」は一番昔（黎明編）が１巻、２巻で一番未来（未来編）になり、以後振り子のように両側の物語を描き、どんどん現代に近づいていく展開です。復活編は未来編より昔の話なので、物語の最後が未来編とつながっています。こういう構造に大興奮！ロビタが出てきた瞬間叫びました！事故にあってから、脳のほとんどをロボット構造に変えられたレオナ。彼の苦悩と、生命を科学でどうにかしようとする人間への警鐘。人間って勝手な生き物だ～2016/07/24
kagetrasama-aoi（葵・橘）
33
「火の鳥」第五巻。『復活・羽衣編』なんと言っても、復活編のロビタの話に胸が熱くなります。もう、本当に手塚治虫先生って凄いですよね、今の AI 全盛を予感していらっしゃったんでしょうか？羽衣編は後書きによると、全面描き換えをする予定だったとか。それも読んでみたかったです。でも、神社の境内での人形浄瑠璃スタイル、凄く楽しい描かれ方で、これはこれで素晴らしい演出だと思いました。2025/06/04
田中
32
今回も猿田に繋がった。科学と医学の進歩、それに頼る人間の悲劇。手塚氏の想像と哲学はどこまで広がるのか。4度目の再読でしたが充分楽しめました。2014/08/10
はと
27
墜落死し、科学の力で生き返ったレオナ。しかし、頭脳のほとんどを人工頭脳に入れ替えたために、人間を人間として認識できなくなってしまう。ロボットのチヒロに恋をして２人で逃げ出したものの、移民星への密輸組織のボスに捉えられて。。。うわー。いつも思うのだけど、主役をこんな姿にしてしまえるってすごい。手塚治虫さんにはある意味すごく残酷な部分を感じるのだけど、嫌悪感みたいなものは全く湧いてこなくて、なぜか心を打たれてしまうから、不思議。2015/07/27
