内容説明
旅は続く。古代エジプト、シュメールからギリシアへ。ギリシアは西欧文明発祥の地とされる。プラトン以来の理性の伝統が西欧世界を照らしている。プラトンは「エルの物語」というあの世の物語なしには人生に耐えられない人のように、私には思われた。ギリシアもまた「理性」という概念のみでは解けないものを秘めている。
目次
抽象(予言者―文明の“意味”を解く;祖先像―なぜ“人”はデフォルメされたか;抽象芸術―わが“魂”を叙述する)
神秘(「死」より始まる―ソクラテスの不死;「哲学」に帰る―ソクラテスの病気;「神話」を創る―プラトンの異界;文学から―二重生活の効用;戯曲へ―わが『ギルガメシュ』;戯曲から―わが文学の舞台 ほか)
幻想(レヴィ=ストロースと出会う―法然の浄土、親鸞のあの世;ミルチャ・エリアーデに出会う―夜の「小説」、夜の「研究」;ホーニヒベルガー博士と出会う―幻想の闇、幻想の光 ほか)
黄夢(日本・中国―5人の巨大なる学者;緑色・黄色―狩猟採取と農業文明;泰山・道教―中国民間信仰と山の女神;曲阜・孔子―巨大な墓の謎)