内容説明
町人文化が咲き乱れ太平の世に見える元禄時代は、将軍綱吉の専制のもと、賄賂政治が横行していた。吉良に斬りつけた浅野内匠頭の刃には、時代の怨念が込められていたのか。殿中刃傷から内匠頭の即日切腹、城明け渡しへと赤穂は風雲急を告げる。苦悩する大石内蔵助。柳沢吉保の見果てぬ夢。上杉家色部又四郎の智略。男の策謀が情念となり、女の義が渦を巻く。綱吉の落胤を巡るもうひとつの仇討ちは成就するのか。傑作時代長編。
著者等紹介
中島丈博[ナカジマタケヒロ]
1935年京都生まれ。疎開先の高知県中村で育ち、高知相互銀行に就職するが、3年で辞めて上京。シナリオ研究所に第一期生として入り、橋本忍に師事する。62年、東宝映画『南の風と波』でシナリオ・デビュー。日活専属ライターを経て、映画、テレビに数多くの作品を発表。NHK大河ドラマ『草燃える』『春の波涛』『炎立つ』『元禄繚乱』など多数
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感想・レビュー
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アッキ@道央民
27
船橋聖一さんの『新・忠臣蔵』が原作の大河ドラマの【元禄繚乱】のノベライズ本。読みやすい本だと思う。お話しは、まだ家老見習いだった、大石内蔵助が若い頃から始まる。時は元禄、五代将軍綱吉の治世。良く言えば、母親思い。マザコンっぽい綱吉の下で、次第に頭角を表していく柳沢保明、生類わかりみの令と、元禄の世情についても描かれている。そんな中、ちょっと生真面目すぎるようにも見える浅野内匠頭、吉良上野介のパワハラ的な仕打ちに耐えかねてついに松の廊下での刃傷沙汰から、赤穂城明け渡しまで。下巻も楽しみです。2023/12/15
ひで
1
1999年の忠臣蔵を題材にしたNHK大河ドラマの「元禄繚乱」を小説化したもの。僕が歴史好きになるきっかけを与えてくれたものでもある。非常に読みやすく忠臣蔵についてよく知ることのできる作品。