内容説明
中伊豆の森で、眼球を反転させた奇怪な三人の死体が見つかった。しかも彼らの腕時計は、みなデタラメな時刻を示して動きつづけていた。半月後、同じ地域の貸別荘を訪れた男女が突然、すべての時計が狂い出す現象に遭遇!同時に室内に異様な気配を察し、身の危険を感じて逃げようとするが、ひとりの身体に想像を絶する変化が発生!人間の常識を覆す怪奇現象の連続に、電磁波研究者の清水教授は助手の神保真美と共に現場へ乗り込むが、そこで遭遇したのは死霊の大群だった。
著者等紹介
吉村達也[ヨシムラタツヤ]
1952年生まれ。ニッポン放送、扶桑社を経て90年より専業作家。一連のホラー作品が大人気。ミステリーとホラーを作品の主軸として両立させる数少ない作家のひとり
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
43
偶然この3部作の第一作に当たる「卒業」を読んだので、本作品も再読。初読時には意味が分からなかった多くのことが分かった。しかし自我とか意識とか大層な話で始まったこのシリーズ、時計なんていう皮相なところに落ちてきたものだ。その「新生物」も「私」という自我を持っているように見えるし。やはり発想が壮大すぎたのかな。しかもまだまだ「これからどうなるの?」ってとこで終わるし~。また、あれだけすべてを憎んでいたあのお方が結局たった2人殺しただけだった、というのも意外だった。とりあえず第二作も読むか、仕方ない(笑)2020/05/23
ジンベエ親分
36
元旦からこんな悪趣味な本を読むか(笑) グログロ描写がてんこ盛り(笑) それも視覚的にかなりきつそうな描写が多く、想像力をフルに発揮すると「うへぇ」となること請け合い(笑) 知らなかったが、「卒業」「樹海」と続く三部作の完結編らしい。話そのものは独立しているようなので、本書を読むのに支障はなかったが、結末を先に知ってしまったのはやはり悔やまれる。つか、これが完結編なの? なんせ悪趣味全開の終わり方なので、続きに期待したくなるんだよね。なお、本レビューの「悪趣味」という言葉は褒め言葉です(笑)2018/01/01
肉嬢★
19
久しぶりの吉村さん作品読了。やっぱ読みやすくてスラスラ読めた。描写が相変わらず気持ち悪く、ホラーでしたが楽しく読めました。電磁波って目に見えないから怖いなと思う。自殺スポットと言われてる場所や電車に引かれ命をたつ人達は電磁波の影響でっていう話を聞いた事があるけど防ぐ事は難しいだろうなー。けど最後の真美は怖い!!2023/05/05
haru
4
ルイの最後が想像出来ず終了。せっかく恐怖のシーンがあるのに、シーンが変わると淡々と進んでしまうので、恐怖激減。樹海で好印象だった一家が、こんな人達になってしまって残念。樹海でもそうだったけど、ただ読み疲れただけでした。持論は良いと思うんだけど...なにかが足りないと言うか...。2014/11/02
きら
4
ある出版社の社長が交通事故で命を落とした。が、その死は、半世紀前から連鎖する恐怖の終わりではなく、新たな始まりに過ぎなかった。『卒業』『樹海』に連なる三部作の完結編。 一作目と比べると、作中では五十年もの時間が経過している壮大な話でもある。……なんだけど、最後の最後までこのシリーズは自分には合わなかった。惰性というか、乗りかかった船だからという理由でなんとか最後まで読み切った感じ。哲学的にホラーを描くという切り口は斬新ではあったと思うけど、それが面白さには繋がっておらず、モヤモヤしたまま完結してしまった。2012/07/24