内容説明
時は江戸の世。乱世の余韻は未だ冷めやらず、己が滅光を天下に隈なく示そうとする家康は、数々の史書・伝書に記された「黄金の国」を手中に収めんと欲していた。一方、大阪城から密かに落ち延びた豊臣秀頼・真田大助主従もまた、秀吉が2度の朝鮮出兵の折に手を入れた地図を頼りに、黄金の国に渡って豊家再興を果たそうとする。家康の命を受けその謎を追う服部半蔵の前に現れたのは、その名も地獄極楽丸。金100枚の賞金首、神出鬼没の大盗賊。豊臣・徳川なにするものぞとばかりに暴れまくる。伝説のユートピアをめぐる、熾烈な闘いが始まろうとしていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
2
1990年公開の日本映画『ZIPANG』の原作…になるの? 同映画の脚本家によるノベライズ版。このところ古代史&神話モノの時代伝奇小説が続いたので読み返してみた本書。テンポのよいお話運びに出し惜しみのない奇抜なイベントの連続がとても楽しい。映画のノベライズといいつつ、映像本編では実現できなかったシーンや展開を残らず盛り込んだといった調子なのであります。主人公地獄極楽丸の名刀コレクター設定も映画以上に活きていて、刀剣ブームの現在の方が人気が出るかも。いよいよ「黄金の島」を前にしたところで下巻に続く。星5つ。2018/10/07
arippy
1
天童荒太さんの初期の作品。やっと手に入れた!2021/07/27