出版社内容情報
夜馬裕[ヤマユウ]
著・文・その他
内容説明
安息の場「自宅」が「獄」となる。全十二章で織りなす至極の怪談蒐。玄関、トイレ、キッチン、リビング、子供部屋…逃げ場の無い「自宅」での怪異のみを蒐集。怪談の極、今ここに―
著者等紹介
夜馬裕[ヤマユウ]
怪談師/怪談作家。三代目怪談最恐位(怪談最恐戦2020優勝)。カクヨム異聞選集コンテスト大賞。第7回幽怪談実話コンテスト優秀賞。インディと怪談師ユニット「ゴールデン街ホラーズ」を結成中。映画、猫、海の生き物、料理が好き(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
52
おー!とても好みの怪談集。誰にでもある自宅、という舞台と、一筋縄で終わらず最後にもう一段階襲ってくる感じが真にゾゾゾッとしてとても良かった。…いや、これ創作だったら良いのだけど、実体験集だとしたら良いとか悪いとか言っている場合ではなく、えげつない終わり方をするというかもう救いようがないというか、向こう側へ行っちゃってる感じがするので、はー面白かったって言ったらダメな感じです…実話なら人間の怖さ✖️怪異の怖さWコンボで怖すぎるし、創作なら上手すぎでは?(だから著者さんは最強の怪談師という異名が→2023/03/28
モモ
45
自宅にまつわる怪談。寝室にお化けが出るから、部屋を暗くしないようにと言われ住み始めた部屋。なぜか起きると体が反対向きになっている。実は部屋の明るさは関係なく、明るいと見えないだけで、ずっといるんだよ。という話にゾッとした。そんなゾッとする話ばかりで、なかなか良かった。2022/10/28
キンモクセイ
40
イヤミスならぬイヤコワとも言うべき夜馬裕さんの自宅のあらゆる場所で起こる怪異をまとめた1冊。YouTube上で聴く話はどれも後味悪いものが多く、ラストに〝まだ終わってない〟と思わせる内容はこちらの作品でも健在だ。不意に知った実話でなく創作疑惑が頭から離れず一時中断後に再開し読むけどイヤコワ感が無い。憶測だと判っても知る前と後では変わる。怪談に慣れすぎたせいなのか。自由に好きなように楽しめば良いんだ。そう言い聞かせよう。ただ、本当の怪異というのは語ってもいけないし、見ても読んでもいけないのだから。2024/08/19
なお
19
自宅で起こる怪異短編集。トイレや寝室などロケーション別にわかれて収録されている。 実話じゃなくて少しフィクションが入っているのかな?怪異を報告する人が実は狂ってるってオチが結構あった。 1番最後のマンションから黒い手が出てくる話が1番怖かった。2024/10/21
佐倉
16
好きなタイプの厭な怪談集。『深夜二時四十五分の来訪者』『代償の鏡』『可哀想な子ども』のような認識ジャック系エピソードはどれもお気に入り。自宅で起きる怪異、というテーマで編まれているが、『あなたはなにもわかってない』『嫌いな犬』『寝ずの番』『仏壇荒らし』など社会生活をしているだけでは気付けない、家の内向きの厭さを感じさせる作品も多い。『仏壇荒らし』の「「自分は心のおもむくまま正直に生きる善良な人間だ」と思い込んでいる」父の存在がこの本を表している気がする。こう思い込んでいる人ほどヤバいというか邪悪というか。2023/08/30