内容説明
ビル清掃のチームリーダーとして働く西さん。アルバイト学生の父親的存在の彼には、ブラジルで生きのびた壮絶な過去がある。74歳の現役歯科医師・シヅ子さん。戦争の後、命の限り生きようと決心した彼女は、今日も朗らかに患者を迎えている。奈良に庵を結んだ青い目の老禅僧・ドーラ師が夢見心地で語る禅宗の教え―。人生の機微に触れる滋養たっぷりの物語に、爆笑必至のショートストーリーも収録した盛りだくさんの1冊。
著者等紹介
原田宗典[ハラダムネノリ]
1959年、東京生まれ。早稲田大学文学部演劇科卒。84年「おまえと暮らせない」で第8回すばる文学賞入選後、作家としてデビュー。小説以外にも数多くのエッセイを発表し好評を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
48
2009/10/24 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2014/9/11〜9/17 原田氏の1人芝居用戯曲集。「彼の人生の場合」、「彼女の人生の場合」、「和尚の人生の場合 または「無理會」」、酢酸バー「鼻」、或る日の六号室、エコ噺、の6編。原田氏の内面を映し出しているような作品感。はやく薬から立ち直って欲しい。2014/09/17
新田新一
33
作者の原田宗典さんは、原田マハさんの兄です。どちらも良い作家であり、私はお二人の作品をすべて読もうと思っています。それぐらい惚れ込んできます。宗典さんの本の中でユーモアたっぷりのエッセイ集が面白いですが、この本を読んで戯曲家としても超一流だと感じました。一生懸命に生きてきた男女のことを描いた「彼の人生の場合」と「彼女の人生の場合」は傑作。笑いあり、涙ありの作品で、読んでいてじーんとしました。ブラジルに渡って何度もどん底の目にあいながら、そこから這い上がってきた男性を描いた前者には励まされます。2025/02/14
kthk arm
5
2021年99冊目。戯曲になるのかな。爆笑っていう惹句に惹かれて読んでしまったけど、そんなでもない。2021/10/29
カモノハシZOO
4
よくわからないが、きらいではない。オモロキンテ。初宗典。2018/11/09
あきほんぬ
4
原田さんの作品はよく読んできたが、戯曲は初めて。独特な原田宗典ワールドが全開で懐かしさを覚えた。演劇を少しやった身で「原田宗典アワー」を観劇してみたいと思った。2015/08/03