内容説明
ひかり66号のグリーン車で発見された刺殺体。被害者は関西の芸能プロダクションの実力者。捜査本部は背後に万博の巨大な利権を巡る二大芸能プロの暗闘をつきとめ、有力な容疑者が浮かびあがる。だが、犯行当時、容疑者はひかりに絶対に追いつけないこだまに乗車し、しかも二重三重の鉄壁アリバイが…。独創的な時間トリックとアリバイ崩し。そして、欲望渦巻く芸能界の裏側を抉る社会性。推理小説史に残る屈指の名作。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生まれ。青山学院大学卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞・日本ミステリー文学大賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
31
ひかりの車内で起きた殺人事件。森村センセは、単純な時刻表のパズルでは終わらせない!万博のイベントプロデューサーの座を狙う東西2大芸能事務所の女社長・紀久子と明美。両社の番頭的マネージャー・冬本と山口の彼女たちに寄せる想い、実際の関係は?スターになりたい、成功したいと願う所属タレントたちはご褒美につられ、危ない橋も平気で渡ってしまう…。完璧なアリバイに守られたように見える犯人。いっぺん悪事に手を染めたら、ずっと汚れた道を行くしかないんだわね。個人的には、冬本のキャラ設定とラストの締め方がエエ感じに思う。2019/09/14
ちばと~る
22
東海道新幹線開通直後で大阪万博のころだから昭和40年ごろが舞台の芸能界ミステリ。レトロだねぇ。半分くらいでアリバイ崩れますが〜その後の二転三転!!お見事!!面白い!!ホテルオークラ。パーティで行ったことあるけどエレベータの謎にわ気づかなかった〜wさすが元ホテルマンの森村先生。勉強になりました!!2013/07/19
もも
5
後から発車した新幹線の中にいた人物が先に発車した新幹線の中にいた人物を殺す?。アリバイトリックが何段階にも分かれていました。その他にも解決までは一山も二山も。華やかな世界の裏側が本当にこんなんだとは思いたくないなー。2020/03/29
ゆき (Kou)
3
大阪万博を控えた日本。しかし万博のプロデュースを引き受けた芸能プロダクションの幹部が新幹線で刺殺される事件が起こる。その裏には芸能界の欲望が渦巻いていた…。背景に大阪万博、さらに題材はセックス・スキャンダルで窮地に陥る芸能プロダクションという、はたしてこれは1970年なのか2025年の話なのか笑。皮肉にも55年たち当時よりも真に迫った舞台設定になっている。社会派作家だけあって芸能界批判は舌鋒鋭く今も芯を食う内容だが、反面トリックは今読むとすごく…時代を感じるものになってるのは御愛嬌か。2025/03/07
らむし
3
まさに昭和のミステリーって感じ。著者はホテルマン時代の経験をこの本の執筆に活かした感じがある。2023/09/16
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