内容説明
タクシードライバーの蛭間正は、深夜、一人の女を乗せる。だが、彼女は「佐賀県に連れて行って」という言葉を遺し、車内で死亡。女は何者かに胸を刺されていた…。女性の名前は香月雅代。しかも、雅代の遺族の懇願で、蛭間は死体を乗客として、タクシーを走らせることに―。東京から佐賀までの道程で発生する凄まじい豪雨、突然の落石、そして、正体不明の追跡者。タクシードライバーが未曾有の困難に挑む戦慄のサスペンス。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青山学院大卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている。2004年には作家生活40周年をむかえ、日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
34
さすが、森村さんは、タクシー事情の周辺をよく調べられている。職業柄、タクシー関連の本は、大概読んできた。森村さんの作品は、他のタクシーモノの杜撰さとは違う。惜しむらくは、カーナビもGPSもなかった時代の話で、もはや今では昔の話になってしまっていること。それにしても、タクシーの客に幽霊が、という話、多いね。なぜだろう。2019/03/23
007
13
一期一会、タクシーの運転手が巻き込まれた事件の為九州まではるばるお客さんを送ることに。様々な人間模様が見えて面白かった。事件は起きてるけど、全体的にほのぼの感も漂う作品。2017/10/05
コットン
10
うふふ♪そんな気分になるような面白さがありました。私のは単行本でそちらの表紙も都会的でかっこいいのです。なので文庫版の表紙同様、都会的な内容ばかりだと思っていたら違います。北新宿で瀕死の若い女性を乗せてしまったタクシー運転手蛭間正。思いもよらぬ行き先を頼まれ、まるで大人の御伽話が始まったようで、運転手蛭間の冒険心が面白かった。宮部みゆきさんの作品には超能力者が出てくるけど、幽霊も面白い。私の住んでいる地名もかなり詳しく書かれていてこの作品、森村さんに親しみを感じた。ラストの章は私は別に良いと思いました笑2020/04/26
廊下とんび
5
森村さんは多作かつ多ジャンルゆえか素人目に観ても駄作、書いている途中で飽きてしまったのではないかと思う様な尻すぼみな作品もあるけど、いい作品はとことんエンターテイメントとしてタップリとサービスしてくれる。この作品は前半のハラハラドキドキのロードムービーで終わらずその後もタップリ愉しませてくれる、相変わらず荒唐無稽だけど2018/12/24
まさや
4
タクシーは一期一会。人生のカケラを運んでいる。─主人公のそんな使命感、発想がオモシロイと思った。2014/04/06
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