内容説明
サラ金地獄で首が回らなくなった男が企てた高利貸しの老婆の殺人計画―社会問題化する生活破綻の実態をリアルに描いた表題作「花刑」をはじめ、定年を迎えた男がかつて通勤電車の窓から目撃した“白いハンカチを振るOL”を捜す「完全犯罪の鏡像」。異なる家族が暮らすマンションでおこる人間関係の憎悪をテーマにした「凶隣の巣」など、身近にある殺意を収めた傑作社会派推理短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うめ
12
The 昭和、なミステリー。短編だし、娯楽としてサクサク読めます。エンタメとして面白い。犯人が曖昧で、だからこそある種の情緒に溢れる作品よりも、ある意味勧善懲悪な話の方が好き。多分エンタメとして読んだから。2014/12/30
りくう
11
現代に蔓延る問題をテーマにしたミステリ作品集。表題作はドストエフスキイの『罪と罰』を彷彿とさせる。オチが怨念満ちていて恐怖を感じる。ただ犯人がはっきりしない話もあって少しもやっとするかも。2014/10/01
jima
6
久しぶりの森村作品。短編4話。2024/07/04
あーさー
2
森村誠一さんによるミステリー短編集。人間の心理に斬り込んでいます。さすがというか、2時間ドラマの題材になりそうな作品揃いです。2023/04/08
OHモリ
1
●本棚にあったので再読のはずだけど全く読んだ記憶がない。約20年前の推理小説短編集。それなりに面白かったけどそれは20年前の森村誠一の本だと思うからかも?たぶんこの分野の小説は20年でかなり進化(と言ってしまっていいのか?)していると感じた。TVで古いサスペンスの再放送を見ても楽しめるのと同じかどうかは分からないけど、単純に面白い以外の付加価値的な味もあった気がする。●なんか自分でも意味不明な感想だな2018/03/08