内容説明
酷くなる一方の息子の家庭内暴力に、このままでは妻が殺されると感じていた町野は、ふと頭に浮かんだ自分の発想に慄然とした。だが、その息子はある日、何者かに轢殺されてしまった。急いで警察に駆けつけた町野は、遺品の中に黒ずんだ櫟細工の瓢箪を発見し、目頭を熱くした。昔、高山へ家族旅行に出かけた時、息子に買い与えたものだったのだ。町野の心に、轢き逃げ犯人に対する激しい怒りが湧き上がった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん
64
23歳の息子の家庭内暴力が酷く、妻が殺される前にわが手でいっそ殺してしまおうと決心する町野だが、偶然にも息子はひき逃げ事故で亡くなってしまう。しかし、子どもの頃、家族で行った時に買ってやったお守りが現場に落ちていて、我に返る町野。様々な事件が交錯する。人は色々な十字架を背負っているのだろうか。。。息子さんを殺さなくて本当に良かった!!!2025/02/04
背番号10@せばてん。
28
1993年11月28日読了。あらすじは忘却の彼方。(2021年6月19日入力)1993/11/28
コットン
8
土産物屋で売っている素朴な小物が、事件解決の重要な意味を持つ。親と息子のかけがえの無いつながりを思わせるその小物が心に残った。刺激的な推理小説だけど幼い頃の息子を随所に思わせ、どこか優しく切ないストーリーが良かった。2020/02/09
ゆう
7
ミステリー要素より人間模様を描いた作品。それぞれが抱える悩みや打算が犯罪に繋がって行く…。悪くない作品でしたが、ここまで偶然が重なってくると、上手く物語に入り込めない。2020/05/06
まっちゃん
3
いろいろ上手く事が運びすぎてるような感覚が否めない…。 繋がりがどんどん出てくるという点でミステリーものとしては面白い気がする。 事故がなかったとして、町野は息子を殺せたのかなっていうのを考えてしまった。2017/08/24