内容説明
「私、ずいぶん長く生きてきた…」版画アーティストを目指してニューヨークへやってきたぼくは、モデルのアラナと恋に落ちる。あの満月の夜。彼女の哀しい独り言の本当の意味を知る、あの夜を迎えるとは知らずに…。摩天楼都市での幻想的な男女の悲恋を描いた収録作「銀行の鱗」をはじめ、ネオ・ホラーの女王、竹河聖が虚飾の都市を基底に、静謐に、おぞましく、そしてポップな筆致で描き切る、四編の生と死の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田口
1
ソフトなホラー!? もっと刺激がないと、つまらん…2012/11/29
ナガサワ
1
今年の漢字は『絆』だった。人間の思いと言う物はかくも暖かく強いものだということを知った年だった。しかし思いは表裏一体、思いはかくも残酷で非情だ。竹河作品にしては珍しく『幽霊』が出てきた作品が2編と、ファンタジーホラーが一編。そして、ホラーじゃないのが一編。一番怖いのはホラーじゃない奴だな。幽霊話の一つ『ハロウィンの影』はちょっと甘酸っぱい。メイには山形のお寺に伝わる『むがさり絵馬』を教えてあげたい。2011/12/16
No.7
0
短編集。そのどれもがNYに留学した若い日本人の御話し。「闇の影」に出てきた人が主人公の話もあったから少し嬉しかったです。文章も読みやすくて怖い所もキチンと怖かったです。ヘビ好きにゃタマらない御話もありました。2020/10/25