内容説明
冥土の旅はひとり専用。家族が看取ろうと、壮絶に死を演出しようと、死に行く人はたったひとり。死の前には人は完全に平等である。だが、そういうシンプルなあり方を誰もが等しく見つめることができるわけではない。この一点で死は不平等でもある。ここに登場する99人は、考えることを生業にした人たちだ。彼らは死を迎えるにあたって何を思ったか?むろん死を正確に見ることができた人など存在しない。ここにはただ99個分の宇宙の眩暈がある。この世で死ぬことの出来なかった人はひとりもいない。あなたも、等しく、ひとりで死んでいく。ならば、安心して、一足先に死んでいった先輩たちに学ぶことにしよう。
目次
手塚治虫―「いま死んだら、死んでも死にきれない」
有吉佐和子―サーモスタットのない人生
永井荷風―たったひとり、生きたいように生きる。死にたいように死ぬ。
渋沢龍彦―病院へと向かう車のなかで、ただ一度、涙ぐんだ。
森茉莉―かけられなかった最後の電話
三島由紀夫―唐突な死の周辺
稲垣足穂―筆極道の本懐
今西錦司―人間は死ぬべくして死ぬのだ
石川淳―死の瞬間、左手は煙草を吸うように唇に添えられた
寺山修司―「60歳まで生かしてくれ」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
39
知識人99人の最後のとき。人それぞれの死に様だが、作家は最後まで書くことに執着している。また、死は孤独である。2017/03/21
アキ・ラメーテ
36
『人間臨終図巻』とは違って、こちらは“知識人”だけの最期の様子。常人より「考えること」に時間を費やして生きてきた人たち=知識人が死に際してどのような言葉を残すのか興味があった。ひとつひとつの“死”は痛ましかったり、悲しかったり、恐ろしかったりするのに、“死”を羅列されると感情が湧かなくなる不思議。2017/01/05
James Hayashi
33
戦後になくなった著名人であるが、大半は作家。99名の人生と死に際を簡潔に説明。手塚治虫は漫画家であり医者でもあった。もし本人が癌であることを知っていたなら、仕事の最期の取り組み方は異なっていただろう。早すぎる死であり不可解な行動を晩年取った有吉佐和子、福永武彦、川上宗薫など興味を持った。ここには載っていないが吉村昭氏の最期は強烈である。飯田蛇笏、石橋湛山、山本周五郎などといった著名人は山梨の学校で教えれば、郷土愛が強くなると思うのだが。2019/03/07
はちてん
26
森茉莉の死に方が哀しい。この人らしかったのかとは思うけれど。寺山や三島の享年が意外に若かったことも。死に方なんて選べないよねぇ。 (荒俣宏はいろんな仕事をする。)2012/09/21
おおにし
22
小説を読んだ時にはすでにその作家が亡くなっていると、どんな最期だったのか気になるもので、この本はとても役に立った。特に最期が印象的であったのが、有吉佐和子と稲垣足穂。有吉は死ぬ直前に「笑っていいとも」に出演していたとは知らなかった。その時のビデオが見たいものだ。足穂の作品は好きだが、彼のハチャメチャな生き方にはまったく共感できない。死ぬ直前は自著の本しか読まなかったそうだ。ナルシシストの権化のような人だな。2018/01/28
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