内容説明
恐怖小説の極北に怪しく光るラヴクラフトが紡ぐ壮大な幻想世界。そこにはモダン・ホラーの原型ガある。その膨大な作品群から厳選した傑作と奇才コリン・ウィルソンがラヴクラフトに捧げた作品を収録した〈クトゥルー神話〉の決定版オリジナル・アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
92
ラブクラフトのアンソロジーで、編纂と訳のほとんどを行っているのが荒俣宏さんでかなりマニアックな印象を与えてくれました。ラブクラフトの作品は何度も読んでいますが(創元社版、新潮文庫、そのほか)、この作品集は中でもレベルが高いと感じます。南條竹則さんが訳した新潮文庫版は読みやすいのですが怖さが薄れている気がします。この中では「異次元の色彩」が印象に残りました。2023/12/05
miroku
19
荒俣師による編纂というところがミソ。好みは人それぞれ。読みやすい文体が好印象。2013/07/26
NDS
11
日本でも、多くの作品のモチーフとされているクトゥルフ神話、その生みの親H.P.ラブクラフトの選者集です。一部有名な作品が載っていなかったり、直接はクトゥルフ神話の中に該当しなさそうな作品も載っていたりします。その為かかなりの読みごたえがあります。 訳者・選者は荒俣宏さん。おそらく、このような奇奇怪怪な小説を翻訳された中では上手であるはずなんですが、やはり読みづらさは否めませんでした。 クトゥルフ神話特有の、宇宙と古代への恐怖が時にほんのり、時に直接的に感じられる一冊です。2017/05/03
アキ
7
初めましての作家さん。 ホラー系小説を読む時に、どこかしらで必ず目にするのが ラヴクラフトという著者名 ホラー作品は大昔から書き続けられてきてはいるけれど その中でも大御所と言われる作家さん達とは一線を引く ラヴクラフト独自の世界観があるらしい。 何はともあれモダンホラーの原典という説明に納得しました。 「狂気の山にて」は怖かったぁ~ヾ(;´▽`A``アセアセ 「魔女の家で見た夢」は面白かったです。2018/04/12
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
7
**注)クトゥルー**クトゥルーネタの小説読解の為読了。コリン・ウィルソンの1編以外は全てラヴクラフトの作品。かつて創土社から2巻まで出たラヴクラフト全集の荒俣宏訳が載録されています。独創的な文体を持つ海外原作は、翻訳者の腕で本当に善し悪しが分かれると思っており。そのため、マタンゴこと荒俣宏が翻訳されている事は非常に有り難い。読みやすい日本語訳がこうして復活したのは率直に嬉しいと思います。ホラーからラブコメまで出ているクトゥルー小説を読解したい方にお勧めします。2012/03/05