内容説明
昭和20年、太平洋戦争。戦局はもはや武器による本土防衛の手だてを失っていた。その頃、仏教と神道の加持祈祷を総動員して敵国の指導者を呪殺しようとする男がいた。西本願寺の法主、大谷光瑞である。しかし敵は国内にもいた。メソニックを牛耳る謎の怪人トマーゾが呪殺計画の前に立ちはだかったのだ。そして“将門の霊”に敗れ一度は満州へ去った魔人、加藤保憲も再び日本へ…。時代の要請に応え、映画化記念特別書下し、サイキック伝奇長編小説第11弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
帝都物語の番外編で、私は満州時代の甘粕が出てきたり李香蘭も出てきたりで楽しめました。大谷光瑞とトマーゾの対決よりも満州で加藤などと話しているところがいいと思いました。まあしかし本当に長い物語ですね。2016/12/11
saga
53
【再読】本編は10巻で完結しており、本作は外伝といおうか本編で書ききれなかった分をまとめたものらしい。太平洋戦争末期の日本。そんななか府中に疎開中の辰宮由佳理、雪子母子が、軍の霊的秘密兵器に翻弄される。また、この兵器を巡ってはメソニック日本支部のトマーゾとの攻防も見どころだ。大谷光瑞、甘粕正彦、李香蘭という実在の人物をうまく絡めた構成だった。巻末にトマーゾの生い立ちを明かす小品が付け加えられた。これこそ外伝だな。2022/09/14
らすかる
39
帝都物語番外編。甘粕正彦や李香蘭が出てくる! 帝都物語の最大の魅力は実在の偉人たちが生き生きと魔都で暗躍するところかなって思います(*^^*) 謎の怪人トマーゾとの対決より、ニヒリスト甘粕でさえ虜にしてしまう恵子さんの菩薩力が印象的✨ 2019/04/08
カマー
6
昭和二十年 終戦間際連合国首脳たちの呪殺計画とそれに絡む陰謀が描かれている もはや帝都東京はほとんど関係ないが、一応今作は本編終了後に書かれた番外編なのでそこは御愛嬌 実際にルーズベルトは終戦間際に急死しているので実話ともいえる作品 帝都東京が米軍の空襲で破壊されおびただしい屍を見て狂喜乱舞する魔物の群れを描く様子はまさにこの世の地獄 読んでいて悲しい気持ちになった 2015/05/31
400YEN<ふぉー>
4
辰宮由佳理、雪子が戦時中に疎開していた頃の話。 敗戦濃厚な日本が、逆転の切り札として祈祷で敵首脳を 呪殺するという流れなので、あまりおどろおどろしい陰陽戦は 展開されません。 サブストーリーとしては面白いかと。2014/02/23