内容説明
明治40年、帝都・東京は日露戦勝にわきかえっていた。この帝都を大東亜の中核とすべく「霊的改造」を加えるというプロジェクトが秘密裏に進行していた。動員される土御門神道の一門、理学士・寺田寅彦、文士・幸田露伴、森鴎外の面々。ところがこの計画を進めながら実は帝都の崩壊をもくろむ男がいた。魔道に精通する謎の軍人、加藤保憲中尉。そしてそれをフォローするように暗躍する朝鮮のオカルト結社、東学党、ナチスのブレーン、ハウスホーファー…。サイキック伝奇長編小説第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
57
【再読】加藤が日本を恨む理由は、雄略天皇の時代に遡る。吉備国の田狭を計略によって任那(現在の韓国南部)に送り、その隙に田狭の美しい妻を略奪した雄略天皇。田狭は倭を呪った。当然だろう。加藤が田狭の末裔であれば、日本=帝都東京を壊滅させようとするのは道理である。単なる悪役ではなく、田狭とその一族からすれば仇を討つ英雄とも言える。出雲の国譲りや、桃太郎に出てくる鬼などには渡来人を迫害するヤマト王権への皮肉が込められた物語だと感じた。2020/12/08
ヨーイチ
36
wikiによると本作はゲーム、ラノベ、コミックなどの「陰陽道」を基にした世界観の卸元らしい。サイキックウォーズとかの惹句は分かりやすいがそれは一部でしかなく「博物小説」って言葉が相応しい。すごい知識量。ストーリーからの脱線も有り。この巻は関東大震災の直前まで。2019/04/20
らすかる
31
魔人加藤に地霊将門を呼び起こすために依童として攫われた由佳理。明治40年の帝都の様子に陰陽道や魔道の力が横行してるのが面白い~。ワクワクする~🎵2019/04/02
たかぴ
15
1巻に引き続き約35年ぶりの再読。敵ながらとても魅力的な加藤保憲。読んでから感想を書くまで時間がかかったためどの巻の内容が含まれているのか不明のため終了。ありがとうございました。2021/09/05
sosking
11
この1巻で結構な歳月が経ったわけですね。加藤の呪術力も相当あることがわかり、今後どう対峙していく事になるのでしょうか。2024/07/26