出版社内容情報
銀色夏生、最高傑作。若き純情詩人たちよ、君の言葉が詩ならば、君の迷いも詩である。好きなものを好きでいるために、私にとって世界は一瞬一瞬がゼロからはじまります。魂の彷徨を描く、銀色夏生写真詩集の最高傑作!
銀色 夏生[ギンイロ ナツヲ]
著・文・その他
内容説明
私が、生きていく上で注意していることがあるとすれば、それは好きなものを好きでいることができるように生きているということです。いつでもその時好きと思うものに対して何の障害もなく好きでいられるように、自分の気持ちを邪魔するかもしれないものを無限の未来を縛るおそれがあるものを、心や環境の中に存在させないようにしています。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
114
恋の喜びも描かれているが、それよりも失恋の悲しみが綿々と綴られている詩集。銀色さんがこんなにたくさんの失恋を経験したと思えないので、フィクションが多いのだろう。恋は人を詩人にするというが、失恋も詩人にするのではないだろうか。独りぼっちになって、剥きだしの心のままで世界に向き合っている時の痛みを、柔らかな言葉で表現しているところに胸を打たれた。2016/06/01
chantal(シャンタール)
75
上海での生活が14年めに突入しようとしている。13年前、日本から数冊の本だけ持った来た。これはそのうちの一冊。学生時代、何度読んだかわからない。大好きな大好きな詩集。持っては来たけれど、こちらではほとんど開いた事がなかった。でも表題詩の「君のそばで会おう」はしっかりと覚えていた。「いろんな所へ行ってきて、いろんなものを見ておいで。そして最後に君のそばで会おう。」とてもとても、日本が恋しい。2018/03/11
ちはや@灯れ松明の火
72
あなたへと手をのばす、まだ、届くかもしれないと思った。その笑顔が凍るのがこわくて、これっきりかもと不安になりながら。好きだった。まっすぐに進むあなたを遅れて追いかける。笑い合って、ケンカして、一緒にいて、泣いた、あの頃は知らなかった、自由と紙一重のあなたの孤独を。好きなんだ。叶わないなんてあきらめてほしくない。本当に、好きだったんだ。あなたがくれた大切な言葉を思い出す。たぶん、あなたはもう忘れている言葉を、ずっと大事に持っている。時間も涙も苦しみも、一緒に。好きだよ。また、あなたのそばに会いに行くから。 2014/05/07
おくちゃん🌷柳緑花紅
68
銀色さんの詩集。涙ボロボロ。私が今想っている君♡「君のそばでまた会おう」この本をテーブルの上に置いていた先日、次女の夫○○チャンが、「おかあさん、僕も銀色夏生さん大好きで詩集をたくさん持っています。嬉しいなぁ」って、此処にも銀色さんファンが....おかあさんの方が嬉しいよ!2014/05/19
masa
65
歌番組を見ていて、自分の方がいい歌詞が書けると送り付けデビューした伝説を持つ著者。桁違いの感性。先に最も不評なエッセイを読み気がついた。読者は信者ではなく、詩は教典ではなかった。それはつまり、作品が純度の高い本物であることの証明で、言葉が秘める力の可能性を示すかのようだ。中二のバレンタイン「私は渡し損ねた。君は貰えなかった。チョコが可哀想」と詩のように呟き義理チョコをくれた地味なクラスメイトがいつも銀色夏生の詩集を読んでいて、三年後、上京し週刊誌のグラビアをヌードで飾った嘘のような記憶に僕は途方に暮れる。2018/03/01