出版社内容情報
その日、四人の人間がメッセージを受け取った。その四人はイタズラかもしれないと思いながらも、指定された公園に集まった。そこでまた新たなメッセージ――。メッセージの差出人「J」とはいったい何者なのか?
内容説明
小説家志望のフリーター・菊川真、大学院で地球物理学を専攻する茂木太郎、卜占術師・赤道目子、女子中学生・立花やよい、そして高校三年でスポーツ青年の山野透。何の共通点もない彼らは、ある日突然、Jと名乗る見えない存在の意思によって集められた。Jは言う。「あなたの助けが必要です」。Jとは何者なのか?何もわからぬまま行動を開始した五人組だが、Jとの対話を続けながら意外な真実に近づいていく。Jが握っている未来、それは―。長編ファンタジック・ミステリー。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年、名古屋生まれ。慶応大学法学部中退。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞後デビュー。その後、86年『深夜曲馬団』で日本冒険小説協会最優秀短編賞を、91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、94年『新宿鮫 無間人形』で直木賞を受賞
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感想・レビュー
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こうちゃ
17
14年くらい前にインターネット連載+携帯電話配信コンテンツという形で発表された作品ということで、著者のイメージとは違うライトテイスト。おまけに、結末は一般公募作品の中から著者が選んだということで、文章が固く異質な印象が強い”。インターネットをメディアとしてみたとき、まだそれは混沌としている。”で始まるあとがきのほうが面白かった。わずか10数年のうちにこんなに進化するとは想像できなかったのだろうな。こらがホントの〔未来形〕2015/04/30
inote2
8
携帯向けに書かれたということで、こんなファンタジーで、あまりミステリ読者向けじゃない内容なのだろうと思う。終章が一般公募ということなら、他の作品も見てみたいと思った。しかしJフォンとは懐かしい。2012/08/29
はらぺこ
7
サクサク読めた。この五人である必要があったのか疑問だが、そんな五人だから選ばれたのだろう。2023/10/20
水素
5
これは大沢ファンの人は読まない方がいいかも、というレベル。特に一般公募の終章がひどかった…。大沢さんの世界観を最後で全部崩しています。これだったら無い方がいい。話は短いのでそこまで時間をかけずに読めましたが、どうもしっくりきませんでした。大沢さんの小説の良さは「後味の良さ」もあると思うので、締めくくりが大沢さんではないのも不満だった要因の一つかもしれません。2014/03/05
siorinn
5
え?これが大沢先生の作品??と新宿鮫とジョーカーを愛する自分にはちょっと驚き。あとがきを読んで、携帯小説であったことを知り納得。色々新しいことに挑戦するのが大沢先生なのでしょうね。2009/05/22